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日本循環器学会2010
心筋梗塞急性期の尿蛋白陽性所見は予後予測因子に
急性期における全身性炎症反応などの表現形である可能性

旭川医大の太田久宣氏

 心筋梗塞急性期における尿蛋白陽性所見は、亜急性期の心機能や慢性期の予後を規定する因子となる可能性が示唆された。第74回日本循環器学会総会・学術集会(3月5~7日、開催地:京都市)で、旭川医大循環・呼吸・神経病態内科学の太田久宣氏が発表した。

 今回検討対象とした症例は、2007年1月~08年12月に発症から24時間以内の急性心筋梗塞で入院し、緊急PCIを行った連続50例。うち10例は急性期(発症5日以内)の尿検査をしていなかったことから除外し、尿検査を実施した40例について解析した。

 尿検査所見は、尿蛋白(+1)以上のHigh群が10例、(±)のMiddle群が17例、(-)のLow群が13例だった。

 入院時の患者背景では、High群でより高齢(H群:75.0歳、M群:67.6歳、L群:66.9歳)、白血球数高値(H群:11.9、M群:9.9、L群:8.3[×103/μL])、Hb低値(H群:12.3、M群:14.4、L群:13.3[g/dL])、eGFR低値(H群:46.8、M群:67.4、L群:65.8[mL/min/1.73m2])、CRP高値(H群:1.02、M群:0.19、L群:0.25[mg/dL])、CPK高値(H群:1201、M群:278、L群:138[IU/L])といった差が見られた。入院までの時間も、Middle群およびHigh群が長かった(H群:280、M群:183、L群:92[分])。

 Killip分類でみた急性期の心機能は尿蛋白所見に応じて悪化しており、Low群は全例がI群だったが、High群ではI群60%、II群10%、IV群30%になっていた。また急性冠症候群(ACS)の重症度を表すGRACEスコアも、High群が高値だった(H群:189、M群:141、L群:130)。

 

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