
心臓血管研究所の山下武志氏
高血圧を伴う発作性心房細動患者における心房細動(AF)の再発・進展抑制効果は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とCa拮抗薬(CCB)で同等であることが確認された。
第74回日本循環器学会総会・学術集会(3月5~7日、開催地:京都市)のLate Breaking Clinical Trialsで、心臓血管研究所の山下武志氏が発表した。
これまでに心房細動(AF)において、心房の障害変化などを抑制することによって予後を改善するというアップストリーム治療の概念が提唱され、レニン・アンジオテンシン系抑制薬が有効である可能性が示唆されてきた。
昨年海外で発表されたGISSI-AF、ACTIVE-Iという2の臨床試験から、AFに対するARBの追加投与はAFの再発に対して対照群と差がないことが示されたが、発作性AFに対するRA系抑制薬の有効性については十分に評価されていない。
日本ではAF患者の半数以上が高血圧を合併しており、降圧薬のうちRA系抑制薬がどのように影響を与えているかも明らかではない。
そこで、日本心電学会が中心となってJ-RHYTHM II 試験が計画され、今学会で結果が発表された。