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糖尿病学の進歩2010
妊娠糖尿病の診断基準改定へ
糖負荷試験を全妊婦に推奨、厳格化で治療対象者は増加する見込み

東京女子医大糖尿病センターの佐中眞由実氏

 日本糖尿病・妊娠学会日本糖尿病学会などが改定作業を進めている妊娠糖尿病診断基準の内容が、一部明らかになった。東京女子医大糖尿病センター講師の佐中眞由実氏が、第44回糖尿病学の進歩(3月5~6日、開催地:大阪市)で概要を紹介した。

 新しい診断基準では、空腹時血糖値、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)1時間値、同2時間値の3項目中1項目でも該当する場合は妊娠糖尿病と診断し、治療を開始する。従来は3項目のうち2項目以上該当した場合に妊娠糖尿病と診断していた。

 また今後は空腹時血糖値92mg/dL、75gOGTT1時間値180mg/dL、同2時間値153mg/dLに基準値を改める。従来は同100mg/dL、180mg/dL、150mg/dLを基準値としていた。

 診断基準の厳格化に伴い、より多くの妊婦が血糖コントロールの対象となる。これまでの診断基準では妊娠糖病と診断されない妊婦の中にも、HbA1cが高く血糖コントロールが必要といった症例は少なからずあった。

 さらに新しい診断基準では、妊娠前から糖尿病を発症していたケースを「overt diabetes(明らかな糖尿病)」と見なして妊娠糖尿病から除外する。妊娠判明後の初回検査で空腹時血糖値が126mg/dL、HbA1cが6.1%、随時血糖値が200mg/dL、75gOGTT後2時間の血糖値が200mg/dLなど以上が、overt diabetesの診断基準となる見込みだ。

 妊娠糖尿病は「妊娠中に発症、あるいは初めて発見された耐糖能異常」と定義されており、耐糖能異常が妊娠に伴うインスリン抵抗性によるものかどうかは区別していない。このため、従来の診断基準では妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠は区別していなかった。

 

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