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米国FDA News
FDA、クロピドグレル添付文書にboxed warning追加

2010/03/15
高志 昌宏

 米食品医薬品局FDA)は3月12日、抗血小板薬クロピドグレル(米国での商品名Plavix)の添付文書に、同薬剤の代謝活性化能が低い患者(poor metabolizer)に投与した場合は十分な抗血小板作用が得られない可能性があることを警告するboxed warningを追加した。

 Drugs@FDAから閲覧できるPlavixの添付文書(FULL PRESCRIBING INFORMATION)のboxed warning、およびその中で引用されている部分を次項に引用した。

 poor metabolizerでの抗血小板作用減弱の可能性についてFDAでは、既に2009年5月に添付文書の改定で注意を促している。だが、その後に規制当局が行ったデータのレビューにより、poor metabolizerで生じるリスクを強調すべきと判断したという。

 クロピドグレルはプロドラッグで、肝臓の薬物代謝酵素であるCYP2C19によって代謝活性化されて抗血小板作用を発揮する。だが、このCYP2C19には遺伝子多型があり、活性が低い遺伝子多型を持つpoor metabolizerの存在が知られている。

 box warningでは、急性冠症候群およびPCIを行ったpoor metabolizerに対して、通常量のクロピドグレルの投与では、代謝活性が保たれた遺伝子型の患者よりも心血管イベントの発生率が高かったと指摘。さらに、CYP2C19の遺伝子型を判定する検査があることに言及した上で、CYP2C19 poor metabolizerと判明した患者に対しては抗血小板療法の見直しを考慮すべきとしている。

 だが、どのような症例にpoor metabolizerを疑い遺伝子検査を行えばよいかは、必ずしも明確ではない。さらにpoor metabolizerに対して、クロピドグレルを現在の米国の通常投与量の2倍(初回600mg、維持量150mg/日)に増量すれば抗血小板活性も上昇するという研究結果があるものの、poor metabolizerを対象にこの投与量で行った臨床試験がないことから、2倍量投与で問題が解決するとも言い切れない。

 これらに加え遺伝子検査の費用も高いことなどから、米国の循環器内科医の間にも当惑の声が上がっているようだ。

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