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日本心臓血管外科学会2010
ARに対する弁置換術、有効弁口面積はなるべく広く
有効弁口面積係数≧1cm2/m2で遠隔期の心機能が良好

2010/03/10
高橋 義彦=医学ライター

豊橋ハートセンターの馬場寛氏

 大動脈弁置換術(AVR)においては、適切なサイズの人工弁を選択することがきわめて重要で、その指標の1つとされるのが有効弁口面積係数EOAI)だ。豊橋ハートセンター心臓血管外科の馬場寛氏らは、遠隔期の心機能改善を得るためにはEOAIが1cm2/m2以上の人工弁が望ましいとの検討結果を、第40回日本心臓血管外科学会学術総会(2月15~17日、開催地:神戸市)で報告した。

 大動脈弁狭窄症に対するAVRでは、後負荷が減少することにより予後の改善が認められる。しかし、大動脈弁閉鎖不全症(AR)にAVRを行った場合は、容量負荷は軽減されるものの圧負荷は増加し、それが長期の心機能に悪影響を及ぼす可能性がある。

 有効弁口面積が小さい人工弁を用いた場合、人工弁の前後で圧較差が生じてしまうため、有効弁口面積を体表面積で除したEOAIが0.85cm2/m2以上であることが望ましいとされている。大動脈弁閉鎖不全症に対するAVRでは、その至適サイズは明確ではなかった。

 今回馬場氏らは、遠隔期の心機能から見て、大動脈弁閉鎖不全症に対するAVRに適したEOAIを検討した。対象は、同センターで1999年5月~2009年7月の約10年間に、慢性大動脈弁閉鎖不全症に対してAVRを行った87例(平均年齢62.5歳)。

 87例のEOAIを調べ、1cm2/m2未満だった35例をA群、1cm2/m2以上だった52例をB群とし、両群の心機能などを比較した。

 

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