日経メディカルのロゴ画像

日本性差医学・医療学会2010
「循環器領域の性差ガイドライン」一部内容が明らかに
女性の心房細動患者には心拍数コントロールを推奨

 日本循環器学会が中心となって作成を進めていた「循環器領域における性差医療に関するガイドライン」の内容が、一部明らかになった。鹿児島大循環器・呼吸器・代謝内科学の嘉川亜希子氏が、日本性差医学・医療学会第3回学術集会(2月20~21日、開催地:東京)で発表した。

 ガイドラインの目的は、循環器疾患における性差によるエビデンスの違いについての情報を提供すること。循環器疾患において現在までに判明している、男性、女性それぞれにおけるエビデンス、主要な文献を疾患ごとにまとめて記載している。

 「“性差医療”はまだ新しい概念であるため、今回のガイドラインは循環器疾患における性差に関する文献集、参考書の役割を果たせるようにした。従来の、診断・治療ガイドラインのように、検査数値目標などをはっきり定めるものではない」と嘉川氏は説明。エビデンスはできるだけ日本人のものを集めたが、「それでも全体の4分の1程度」(嘉川氏)という。

 ガイドラインは遺伝子・発生学、妊娠、男女の更年期、加齢などの基礎、疾患としては虚血性心疾患、不整脈、高血圧性疾患など全16章で構成される。嘉川氏はこのうち、不整脈、虚血性心疾患の微小血管狭心症について、ガイドラインの内容を一部公表した。

 不整脈の章では、40歳以上の男女63万人における心房細動罹患者数のデータを引用。40歳代から80歳以降まで10歳ごとの心房細動罹患者数は、加齢とともに増加するが、どの世代でも男性が多いことを示した。全年齢の比較では男性の罹患率は女性の3倍だった。

 さらに女性の心房細動患者の方が高齢で、動悸や疲労感などの症状を訴えることが多いこと、男性は冠動脈疾患の合併が多いことなど臨床像にも明らかな性差が存在することも記載した。



この記事を読んでいる人におすすめ