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日本性差医学・医療学会2010
女性の動脈硬化はn-6系不飽和脂肪酸の過剰摂取が要因
LDL-Cは頸動脈IMTのリスク因子にならず、非高血圧症例で検討

2010/02/26
大滝 隆行

 喫煙歴のない非高血圧女性78例を対象に、頸動脈エコーによるIMT(内膜中膜複合体厚)測定を行い、血清脂質や血中脂肪酸4分画との関係を調べたところ、総頸動脈IMTは年齢のほか、n-6系不飽和脂肪酸であるジホモ-γ-リノレン酸と正相関し、HDLコレステロールと負相関を示した。LDLコレステロールとの関連は見られなかった。ニコークリニック(佐賀県武雄市)理事長の田中裕幸氏が、日本性差医学・医療学会第3回学術集会(2月20~21日、開催地:東京)で発表した。

 LDLコレステロールは冠動脈疾患リスクを高める悪玉コレステロールとされているが、これまで女性では、LDLコレステロール140mg/dL(基準値)を超えると冠動脈疾患が増加することを明確に示すエビデンスはない。一方で近年、血中n-6系不飽和脂肪酸濃度が低いと心疾患死亡率が低く、逆にn-6系不飽和脂肪酸濃度が高いと心疾患死亡率も高いことが報告されている。

 そこで田中氏は、喫煙歴がなく、降圧療法や脂質低下療法を行っていない非高血圧女性78例を対象に、頸動脈エコーによるIMT測定値を動脈硬化の指標として、血清脂質値や血中脂肪酸4分画(ドコサヘキサエン酸DHAイコサペンタエン酸EPAアラキドン酸AA、ジホモ-γ-リノレン酸:DGLA)との関連を検討した。頸動脈IMTは両側の総頸動脈体部と頸動脈球部の最大IMTを測定した。

 対象女性の平均年齢は58.9±4.9歳、平均体格指数(BMI)は21.9±2.6、平均総コレステロール値は240.2±32.8mg/dL、平均LDLコレステロール値は150.5±29.1mg/dL、平均HDLコレステロール値は70.1±17.1mg/dL、平均中性脂肪値は93.1±45.8mg/dLだった。平均IMTは総頸動脈で0.66±0.13mm、頸動脈球部で1.05±0.31mmだった。


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