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日本疫学会2010
血液透析患者の死因は2割が心臓突然死
発見が遅れるケースも少なくないことが問題に、KAREN研究

2010/02/08
後藤 恭子=医療ライター

岩手医大の大澤正樹氏

 成人の血液透析患者の死因の約2割が心臓突然死(sudden cardiac death:SCD)で、その半数以上が目撃されずに死に至っていたことが、血液透析患者を対象としたコホート研究であるKAREN研究から判明した。岩手医大衛生学公衆衛生学講師の大澤正樹氏が、第20回日本疫学会学術総会(1月9日~10日、開催地:埼玉県越谷市)で発表した。

 KAREN研究(Kaleidoscopic Approaches to patients with end-stage RENnal disease:末期腎不全患者に対する多面的な取り組みにより循環器疾患発症リスクを割り出す研究)は、岩手県中央部から北部に在住する血液透析患者の実態を明らかにする目的で行われた大規模コホート研究。

 同地域に在住しインフォームドコンセントを得られた透析患者1214例を登録し、5年間追跡した。死亡原因については研究スタッフが透析施設を訪問し、患者のカルテや死亡証明書に基づいた検証を行っている。

 5年間の追跡が終了した時点(平均3.9年)でのデータでは、追跡が可能だった1208例中、435例が死亡した。このうち事故ではなく、予測不可能な心肺停止による死亡は96例で、心肺機能が停止した場所は、病院内または救急車内が45例、自宅が49例、外出時が2例だった。

 96例中50例は、死亡の発見が遅れていた。死亡が発見されるまでに要した時間は、1時間以内が10例で、24時間以内の発見が37例、残り3例は経過時間が不明だった。

 

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