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日本疫学会2010
正常高値血圧から頸動脈IMTは有意に肥厚する
女性ではhsCRPが高いと血圧上昇に伴うIMTの肥厚が加速、吹田研究

2010/02/05
軸丸 靖子=医療ライター

国立循環器病センターの小久保喜弘氏

 血圧が正常高値(130~139mmHg/85~89mmHg)の段階で既に、頸動脈内膜中膜肥厚度IMT)は有意に肥厚しており、女性では高感度C反応性蛋白hsCRP)高値が血圧上昇に伴うIMTの肥厚をさらに加速していることが明らかとなった。わが国の都市部一般住民を対象にしたコホート研究である吹田研究からの知見で、国立循環器病センター予防検診部の小久保喜弘氏が、第20回日本疫学会学術総会(1月9~10日、開催地:埼玉県越谷市)で発表した。

 循環器疾患の発症および死亡をエンドポイントとする吹田研究は、わが国で唯一の都市部住民を対象にした循環器コホート研究で、1989年に開始された。無作為抽出された住民中、同センターで基本健診を受けた6485例を追跡している。今回は、健診受診時に同意が得られ、頸動脈エコーと採血を実施できた35~89歳の男性1709例、女性1946例を対象とした。

 IMTは頸動脈エコーで、平均IMT(分岐開始部から10mm心臓側の部位)および最大IMT(総頸動脈、分岐部、内・外頸動脈のうち測定可能部位の最大値)を測定した。

 対象者は血圧値により、日本高血圧学会のガイドライン(JSH2009)に従って「至適血圧」(120/80mmHg未満)、「正常血圧」(120~129/80~84mmHg)、「正常高値血圧」(130~139/85~89mmHg)、「I度高血圧」(140~159/90~99mmHg)、「II~III度高血圧」(160/100mmHg以上)の5群に分類された。

 男女とも血圧が高値群になるに従い、平均年齢も高くなる傾向にあった。総コレステロール(TC)、HDLコレステロール(HDL-C)は共に、各群で女性の方が高値だった。また糖尿病の有病率、現在の喫煙、飲酒は、男性の方が高かった。

 

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