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日本冠疾患学会2009
LMT・多枝病変へのPCIは患者への説明次第
安全性は担保でき、患者希望によっては選択肢になる

2010/01/26
軸丸 靖子=医療ライター

阪大大学院の角辻暁氏

 冠動脈バイパス術(CABG)がスタンダードとされる左冠動脈主幹部病変(LMT)や多枝病変への血行再建術で、あえて冠動脈インターベンション(PCI)を選択する場合、術後の心血管イベントや再血行再建術施行のリスクを考慮する必要がある。

 阪大大学院先進血管治療学の角辻暁氏は、LMTや多枝病変に対して薬剤溶出ステント(DES)によるPCIを行った症例の予後を検討。PCI症例の死亡やイベント回避率は満足できるレベルで、追加の血行再建術施行は高率なものの「最初に説明しておけば患者の納得は得られる」として、開胸手術を避けたい患者には、LMTや3枝病変でもPCIは治療オプションになると指摘した。

 第23回日本冠疾患学会学術集会(12月18~19日、開催地:大阪市)の外科内科合同シンポジウム「左主幹部・多枝病変に対する治療戦略」で、同氏が発表した。

 角辻氏が今回検討対象としたのは、2004年8月~06年3月にシロリムス溶出ステント(SES)によるPCIを施行したLMTまたは3枝病変の自験例中、透析症例を除外した76例(男性59例、平均年齢67.3歳)。合併症として糖尿病40.8%、高血圧71.1%、脳血管障害15.8%と高率で、PCIの既往がある患者も43.4%含まれていたが、心機能(左室駆出率)は比較的良好で、61.8%が正常範囲内だった。

 病変の状態は、3枝病変のみが32.9%、LMTを含む多枝病変が67.1%と後者の方が多く、これをさらに分類すると、LMT+2枝病変が25.0%、LMT+3枝病変が15.8%などだった。平均追跡期間は約4年だった。

 

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