日経メディカルのロゴ画像

日本冠疾患学会2009
大動脈弁狭窄を合併したCABG、予防的AVRの適応基準は
75歳以下と比較的若く脂質異常症の管理が不良な症例では考慮すべき

2010/01/08
軸丸 靖子=医療ライター

天理よろづ相談所病院の泉知里氏

 高齢化および透析患者の増加に伴って、大動脈弁狭窄症(AS)を合併した虚血性心疾患(IHD)患者に対して冠動脈バイパス術(CABG)と大動脈弁置換術(AVR)を合わせて行うことが増えている。だが、ASが軽症から中等症だった場合にも予防的にAVRを行うべきか、明確な基準はない。

 CABGを施行したAS合併IHD症例の長期的な追跡から、術前のASが軽症から中等症でも75歳以下と比較的若く脂質異常症の管理が不良な症例では、ASが急速に進む傾向があるので予防的なAVRも考慮すべきことが明らかになった。第23回日本冠疾患学会学術集会(2009年12月18~19日、開催地:大阪市)で、天理よろづ相談所病院循環器内科の泉知里氏が報告した。

 泉氏は今回、1993~2003年に同院でCABGを施行し、術前からの心エコー所見が得られた334例を対象に、大動脈弁最高流速(Vp)および弁口面積(AVA)の変化を後ろ向きに追跡、AS合併の有無や術式、予後について検討した。平均追跡期間は術後67カ月(±38カ月)だった。

 334例中302例はAVRが必要ないno significant症例(Vp<2.5m/s、AVA≧1.5cm2)で、全例にCABGのみが施行された。軽症~中等症(2.5m/s≦Vp<3.5m/s、1.0cm2≦AVA<1.5cm2)のASを合併した症例は11例で、10例にはCABGのみ、1例にはCABGと共にAVRが行われていた。重度のAS(Vp≧3.5m/s、AVA<1.0cm2)合併は21例で、全例にCABGとAVRが同時に行われていた。

 

この記事を読んでいる人におすすめ