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AHA2009
抗血小板薬併用中のACS患者にdabigatran追加は安全
用量に対する安全性を評価したRE-DEEM試験の結果

2009/12/25
中西 美荷=医学ライター

スウェーデン・ウプサラ大学病院のJonas Oldgren氏

 新規経口直接トロンビン阻害薬dabigatranは、アスピリンクロピドグレルを併用している急性冠症候群ACS)患者に対し、わずかに出血が増加するものの安全に使用でき、抗血小板薬併用療法に本剤を加えることでACS患者の虚血性心イベントの再発抑制に有用である可能性が示唆された。

 第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照用量漸増試験「RE-DEEM」の結果で、米国心臓協会年次学術集会(AHA2009)でスウェーデン・ウプサラ大学病院のJonas Oldgren氏が報告した。

 dabigatranについては、2009年9月の欧州心臓学会(ESC2009)で発表されたRE-LY試験で、心房細動(AF)患者における脳卒中予防効果が示されている(NEJM. 2009;361:1139-51. 論文紹介記事はこちら)。

 RE-DEEM試験の対象はST上昇型、非ST上昇型のACS患者で、1つ以上の心血管(CV)リスク因子を有し、ランダム化の時点でアスピリンとクロピドグレルを投与されている患者である。

 161施設から1878例が登録され、ACS発症後14日以内にプラセボ群(373例)、dabigatran 50mg群(50mgを1日2回投与、372例)、75mg群(75mgを1日2回投与、371例)、110mg群(110mgを1日2回投与、411例)、150mg群(150mgを1日2回投与、351例)にランダム化し、6カ月間治療を行った。なお、中等度の腎障害(GFR:30~50mL/分)を有し、75/110/150mg群にランダム化された患者については、1段階下の用量を投与したが、解析は当初割り付けられた用量群に含めて行った。

 患者の平均年齢は61.8歳、76%が男性、60%がST上昇型で、ACS発症時に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が行われたものは54%、ランダム化までの期間は平均7.4日だった。これらの患者背景は、すべての群で差がなかった。

 有するCVリスク因子は、65歳以上が44%と最も多く、糖尿病が31%、心筋梗塞(MI)の既往が29%、当該ACSに対する血行再建術の施行なしが31%だった。3カ月目にはほぼすべての患者、6カ月目においても84%が、抗血小板薬併用療法を継続していた。

 1次エンドポイントは、ISTH(International Society of Thrombosis and Haemostasis)基準の大出血と、この基準には適合しないが臨床的に重大な出血(出血による入院、薬剤あるいは外科的な治療を要する、被験薬を含めて抗血栓療法を一時的、あるいは完全に中止することを余儀なくされる、など)の複合エンドポイントとされた。

 2次エンドポイントは、凝固活性(Dダイマー濃度)、臨床的な虚血性イベント(CV死、非致死性MI、脳卒中)だった。

 

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