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PMDA News
インスリンと癌の関連、新たな安全対策は不要
医薬品医療機器総合機構が専門家による検討に基づき結論

2009/12/01
大滝 隆行

 インスリングラルギンを含むインスリン製剤悪性腫瘍の関連について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)はこれまでの疫学研究や非臨床試験、外国の措置状況を調査した結果、新たな安全対策を講じる必要はないと結論付けた。11月27日、「医薬品・医療機器等安全性情報No.263」に公表した。

 2009年6月26日、欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌ウェブサイトにインスリングラルギンと悪性腫瘍の関連を検討した疫学研究が新たに複数掲載されたことを受け、欧州医薬品庁(EMEA)は6月29日に、米食品医薬品局(FDA)は7月1日に、現時点で得られるデータに両者の因果関係を示唆するものはなく、治療の変更の必要はないとの声明を発表し、今後引き続き評価を行う旨を公表している(関連記事)。

 わが国においても、7月1日に日本糖尿病学会がインスリングラルギンによる治療を受けている患者に、治療継続と医師への相談を奨励する声明を発表した。

 PMDAはこのような状況を踏まえ、インスリングラルギンを含むインスリン製剤と悪性腫瘍の関連についての疫学研究や非臨床試験、外国の措置状況を調査し、安全対策の要否を検討した。

 インスリン製剤による悪性腫瘍に関する疫学研究を調査したところ、インスリン製剤非使用の場合と比べて悪性腫瘍のリスク増大を示す報告がある一方、増大しないとする報告もあった。また、多くの疫学研究において家族歴などの交絡因子の調整が不十分だった。インスリングラルギンについても、他のインスリンと比較して悪性腫瘍のリスク増大を示す報告と増大を示さない報告があった。

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