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AHA2009
ステント留置患者へのPPI投与で総死亡が増加
米マウントサイナイメディカルセンターにおける観察研究結果

2009/12/04
中西 美荷=医学ライター

米マウントサイナイメディカルセンターのJoseph M Sweeny氏

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による薬剤溶出ステント(DES)留置患者中、プロトンポンプ阻害薬PPI)を処方されていた群では、PPI非処方群と比較して総死亡が増加していたという。米マウントサイナイメディカルセンターのデータベース解析による観察研究の結果で、AHA2009で同センターのJoseph M Sweeny氏らが発表した。

 同センターでは、2003年4月~07年6月に8311例に対し1万2204回のDES留置が行われ、17%に相当する1381例が退院時にPPIを処方されていた(PPI群)。

 Sweeny氏らは、PPIを処方されていなかった1381例を対照群(非PPI群)として抽出(propensity score matched)し、1次アウトカムとして08年12月31日までの総死亡、2次アウトカムとしてステント挿置後30日におけるステント血栓症と1年後における標的血管血行再建術(TVR)を比較した。

 PPI群と非PPI群の患者背景(年齢、性別、人種、喫煙の有無、BMI、合併症の有無など)に有意差は認められなかった。平均追跡期間2.1年の時点で257例が死亡しており、死亡率は非PPI群が1000人・年あたり34.4だったのに対し、PPI群では51.3と有意に高かった。両群における死亡率の差は退院直後から認められ、時間とともに増大していた。

 年齢、性別、人種補正後の、非PPI群と比較したPPI群における総死亡のハザード比(HR)は1.54、すべての背景因子についての多変量補正後でも1.37だった。

 薬剤別では、オメプラゾールで多変量補正後のHRが1.92、pantoprazoleでは同1.71と、非PPI群との間に有意差を認めたが、esomeprazoleランソプラゾールについては有意な差ではなかった。

 TVR(合計757例)、ステント血栓症(合計40例)については、いずれもPPI群でより多かったものの、有意な増加ではなかった。

 

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