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米国腎臓学会(ASN)2009
ビタミンDアナログが糖尿病患者のアルブミン尿を抑制
RAS抑制薬にparicalcitolを併用した大規模臨床試験VITALの結果

2009/11/26
小林 圭=医学ライター

オランダ・グローニンゲン大学のD. de Zeeuw氏

 2型糖尿病患者を対象に、ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とビタミンDアナログparicalcitolとの併用によるアルブミン尿抑制効果を検証した大規模試験、VITAL(Selective Vitamin D Receptor Activator for Albuminuria Lowering Study)の結果が、第42回米国腎臓学会ASN2009)のLate-Breaking Clinical Trialで発表された。報告者はオランダ・グローニンゲン大学のD. de Zeeuw氏。

 慢性腎臓病(CKD)を対象とした臨床試験の事後解析から、レニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬とparicalcitolの併用による蛋白尿抑制効果が示唆されており、本試験はこの知見を踏まえて企画された。

 VITAL試験は多施設共同・無作為化二重盲検試験。対象は、(1)過去1年以上薬物治療を継続、(2)基礎治療薬として安定用量のACE阻害薬またはARBを3カ月以上服用中、(3)推算糸球体濾過量(eGFR):15~90mL/min/1.73m2、(4)尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR):100~3000mg/g、(5)血中副甲状腺ホルモン濃度:35~500pg/mL――を満たす2型糖尿病患者とした。

 ただし、(1)過去6カ月以内にparicalcitolを使用、(2)管理不良の高血圧、(3)paricalcitolまたは類似薬物に対するアレルギー歴、(4)糸球体腎炎、(5)過去12週間以内の急性腎不全発症――に該当する症例は除外された。

 3週間のスクリーニングを経て281例が登録され、paricalcitolの1μg/日投与群(低用量群)、同2μg/日投与群(高用量群)、プラセボ群に無作為に割り付けられた。追跡期間は24週だった。

 有効性評価のための1次エンドポイントは、治療前後におけるUACRの変化(paricalcitol群全体とプラセボ群の比較)、2次エンドポイントは3群におけるUACRの変化および24時間尿中アルブミン排泄量の変化と、UACRが15%以上低下した症例の頻度(改善率)、3次エンドポイントはUACRとeGFRの治療期間中および試験終了30~60日後の変化とした。

 paricalcitol高用量群に95例、低用量群に93例、プラセボ群に93例が割り付けられた。治療前における3群の年齢、性別比、血圧、UACR、eGFRなどの背景因子に、有意差は認められなかった。

 

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