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日本心臓病学会2009
来院時ショック、CPK高値が急性心筋炎劇症化の予測因子
国内多施設データベース「CADRE」登録症例の解析から判明

2009/10/13
軸丸 靖子=医療ライター

国立循環器病センターの大原貴裕氏

 発症率や死亡率、臨床経過、診療の実態など、いまだ不明なことの多い急性心筋炎だが、その劇症化や転帰は来院時の心筋障害の程度によって予測されるとの知見が、わが国における多施設データベース「CArdiac Disease REgistration(CADRE)」の解析結果から明らかになった。第57回日本心臓病学会学術集会(9月18~20日、札幌市)で、国立循環器病センター心臓血管内科の大原貴裕氏が報告した。

 CADREは、全国32の日本循環器学会研修施設に勤務する認定循環器専門医が、自施設で入院・加療を行った急性心筋炎あるいは感染性心内膜炎患者について、臨床情報と検査情報をウェブ登録するシステムになっている。大原氏らは今回、そのデータから急性心筋炎の臨床経過に影響を及ぼす因子を検討した。

 2007年3月から09年3月までにCADREに登録された急性心筋炎患者は57例(男性37例、女性20例、平均年齢46歳)。このうち21例(37%)が劇症化し、8例(14%)が院内死亡していた。

 来院時のデータから、症例の8割以上が症状出現から1週間以内に来院していたが、31日以上たってから来院して劇症化した例もあった。9割以上が何らかの前駆症状を自覚していたが、症状は非特異的だった。来院時の訴えは呼吸困難や胸痛、かぜ様症状、ショック症状などが多かった。

 来院時の心電図所見では、急性心筋炎に特異的とされる広範囲のST上昇があった症例は22例(47%)にとどまり、限局的なST上昇も26%存在した。伝導障害やQRS幅の拡大も多く認められた。心エコーでは浮腫性の壁肥厚や心機能低下が多く認められた。全周性の壁運動異常も6割以上に見られたが、局在性や異常部位がはっきりしない症例も少なくなかった。

 血液検査所見では、症状ピーク時に白血球数やC反応性蛋白(CRP)などが上昇していた。ただし、CPKはピーク時で中央値765 IU/Lと、それほど高くはなかった。

 

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