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欧州心臓学会(ESC)2009
非心臓手術の心血管事故対策ガイドライン、欧州版完成
米国ACC/AHA版よりも幅広く適用できることを重視

2009/09/15
宇田川 久美子=医学ライター

エラスムス医療センターのDon Poldermans氏

 欧州では、年間13万人以上が外科手術後1カ月以内に心血管疾患(CVD)で死亡しているという。欧州心臓学会(ESC)はこのほど、周術期心血管事故対策をまとめた欧州初のガイドラインを策定した。

 米国心臓学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)による同様のガイドラインに比べ、検査などの手順が簡略化され、予防的薬物療法に重きを置いた印象だ。第31回欧州心臓学会・学術集会(ESC2009)で、オランダ・エラスムス医療センターのDon Poldermans氏がガイドラインの概要を発表した。

 ガイドラインは、手術の緊急性とリスク評価に応じた7段階で構成されている。まず、ステップ1で手術の緊急性を問い、「Yes」であれば当然手術を優先するが、急を要さない手術であればステップ2に進む。

 以降のステップでは、患者をリスクに応じて層別化し、それぞれのカテゴリーの患者に対し、現在のエビデンスからみて望ましいと考えられる検査や予防的薬物療法などの具体策が提示されている。

 層別化のポイントは、手術の危険度、患者の運動能、CVD危険因子の数の3点だ。手術の危険度は、術後30日以内に心血管イベントを生じる頻度が1%未満の「低リスク手術」(眼科手術や乳房手術など)、1~5%の「中等度リスク手術」(腹部手術や頸動脈手術など)、5%以上の「高リスク手術」(大動脈手術、末梢血管手術など)の3つに分類する。

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