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日本動脈硬化学会2009
LDL-CよりもnonHDL-Cの方がイベント予測因子として有用
2500人あまりを19年追跡した久山町の前向きコホート研究より

2009/08/24
高志 昌宏

九大大学院の清原裕氏

 日本人の一般住民においても、総コレステロール(TC)から高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)を差し引いたnonHDL-Cは心血管イベントの予測因子として有用であることが、久山町研究から明らかになった。低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)やLDL-C/HDL-C比などよりも優れたイベントリスクの指標になる可能性があるという。第41回日本動脈硬化学会総会・学術集会(7月17~18日、山口県下関市)のシンポジウム「Non HDLコレステロールと冠動脈粥状硬化症」で、九大大学院環境医学分野の清原裕氏が発表した。

 今回検討対象とした久山町コホートは、1983年の集団検診を受診した住民(40歳以上)中、虚血性心疾患と脳卒中の既発症者を除いた2452人。虚血性心疾患(心筋梗塞の発症、1時間以内の突然死、冠動脈血行再建術の施行)、および脳血栓症(アテローム血栓性梗塞+ラクナ梗塞の発症、心原性脳塞栓症は除外)の発生を2002年まで19年間追跡し、血清脂質値とイベント発生との関連を調べた。調整因子は年齢、性、収縮期血圧、心電図異常、BMI、耐糖能異常、飲酒、喫煙、運動習慣とした。

 虚血性心疾患は155例、脳血栓症は149例発生した。まずTCと虚血性心疾患の関連では、四分位で見たTCの上昇に従い発生率も有意に上昇していたが(P<0.05 for trend)、性年齢以外の因子を加えて多変量解析を行うと有意性は消失した。脳血栓症との関連についても虚血性心疾患と同様、多変量解析後は有意な関連は見られなかった。

 HDL-Cと虚血性心疾患の関連では、第2四分位(41~50mg/dL)以上の分位で有意に発生率は低下(P<0.01 vs. lowest quartile)、多変量解析後も第3四分位(51~60mg/dL)以上で有意に低下していた(P<0.05 vs. lowest quartile)。ただ脳血栓症では、有意な関連は見られなかった。

  

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