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欧州高血圧学会(ESH)2009
ESH/ESCの高血圧診療ガイドライン、わずか2年で見直しへ
「低いほど良いという“教義”も聖域とせず議論」と学会長

写真1 ガイドライン改訂の説明に聞き入る参加者

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 第19回欧州高血圧学会(ESH2009、6月12~16日、イタリア・ミラノ)で、参加者の関心が最も集まったのは、この秋に見直しが始まるESH/ESC(欧州心臓学会)の高血圧診療ガイドラインに対し、ESHがどのような見直し案を出すかだった。ガイドラインの改訂骨子を説明するPlenary Sessionの会場となったAuditoriumは、最新の臨床試験の結果が報告されるLate Breaker Sessionよりはるかに多い聴衆で埋め尽くされた(写真1)。

 この“Guidelines on Hypertension Management Revisited in 2009 - ESC Position Statement”セッションでは、3人の演者がESH側の改訂骨子を説明した。まず、スペインのE. Lurbe氏が小児・若年者のガイドラインの新設を提案(関連記事1 「小児・未成年の高血圧診療ガイドライン策定へ」)、次いで同じくスペインのJ. Redon氏が、メタボリックシンドロームをガイドラインにどう組み込むかを説明した。そして最後にESH会長のG. Mancia氏(次項写真2)が、予定の20分を大幅に超える45分をかけて、ガイドラインに対する考え方を根本的に変えなくてはならないと、熱弁を振るった。

 Mancia氏はまず、前回のガイドライン改訂からわずか2年で、改訂の検討を開始した背景を説明。新しい臨床試験やメタ解析の結果が次々に登場し、新たに勧告すべきこと、強調すべき過去の勧告が明らかになった一方、「同じ臨床試験の結果に対して異なる解釈がなされ、臨床現場に混乱を招きかねない恐れがあり、それらを早期に解消する必要がある」と述べた。そして、改訂に向けて検討を重ねてきた、7つの課題を示した。

(1)微量アルブミン尿・蛋白尿の心血管リスクについての検討
(2)第1選択薬は妥当か
(3)多剤併用の場合の第1選択薬との組み合わせ
(4)薬物治療の目標血圧値と、閾値に関する厳格な再評価
(5)合併症のある場合の治療目標と、それを支持する新しいエビデンス
(6)降圧療法による長期間の予後改善効果
(7)血圧値を下げ過ぎるなという勧告の必要性

 この中で(1)の微量アルブミン尿と蛋白尿については、心血管イベントや腎へのリスクを示す指標であり、検査が簡便でコストも低いことから、スクリーニングでも治療中でもモニターすることを提案することになった。

 

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