直接的レニン阻害薬(DRI:Direct Renin Inhibitor)アリスキレンの降圧作用と血漿レニン活性(PRA)低下作用は、代償的に起こる血漿レニン濃度上昇の影響を受けることなく、長期間持続することが分かった。サンフランシスコで5月6日から9日にかけて開催された第24回米国高血圧学会(ASH2009)のポスターセッションで、ウエスタン・ペンシルバニア病院(米国ピッツバーグ)のAlan Gradman氏が、大規模臨床試験のpost-hoc解析の結果として報告した。
アリスキレンを投与すると、ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)など、レニン・アンジオテンシン系に作用する他の薬剤と同様、アンジオテンシンII抑制によってネガティブフィードバックが働き、代償的にレニン産生が増加して、血漿レニン濃度が上昇することが知られている。
このような血漿レニン濃度の上昇が、アリスキレンによるレニン阻害作用の減弱をもたらす可能性が指摘されている。一方で、アリスキレンと結合したプロレニンがレニンと認識され、血漿レニン濃度が過大評価されることも示されている。
ベースとなった臨床試験は、軽症から中等症(座位の平均拡張期血圧90mmHg以上、110mmHg未満)の高血圧患者1951例を、アリスキレン150mg群と300mg群に3:2で割り付け、降圧目標(<140/90mmHg)に達しない場合には、アリスキレンを150mgから300mgへ増量、さらにはサイアザイド系利尿薬(12.5mgまたは25mg)の追加投与を行って、11~12カ月間観察するというもの。
今回のpost-hoc解析では、対象患者のうちアリスキレン単剤治療を継続できた1090例について、降圧効果と血漿レニン活性、血漿レニン濃度の評価を行った。
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