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AHA2008
妊娠中の喫煙は胎児のeNOSを低下させて発育を悪くする
たばこに含まれるどの物質が関与しているのかはまだ不明

Gentofte大のMalene Andersen氏

 妊娠中に喫煙を続けていると、胎児の成長が抑制されることはよく知られているが、その機序の1つとして、喫煙妊婦では、胎児の血管内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性が3割以上も低く、血管拡張能が低下して血流が減少し、胎児の成長を遅らせる可能性が示された。

 この研究成果を報告したのは、デンマークGentofte大学病院臨床生化学科のMalene Andersen氏(写真)ら。ニューオーリンズでこのほど開催された米国心臓協会・学術集会(AHA2008)のポスターセッションで発表した。

 Andersen氏らは、単胎妊娠した266人の健康な妊婦を対象とした観察研究を実施し、喫煙状況と胎児血中のeNOS濃度と活性を調べた。喫煙状況は自己申告で把握し、血清コチニンで確認した。

 eNOSはL-アルギニン基質としてNOとL-シトルリンを産生するので、臍・絨毛膜血管から内膜細胞を採取してeNOS量とL-シトルリン量を測定し、細胞数当たりのeNOS量をeNOS濃度とし、細胞数当たりのL-シトルリン量をeNOS活性とした。

 このほか、胎児の血液と母親の血液サンプルから、血清エストラジオール卵胞ホルモン)と血漿脂質プロフィールのほか、L-アルギニン、ADMAとその異性体であるSDMA(いずれもeNOS阻害物質)などの濃度を測定した。

 調査の結果、266人の妊婦の中で非喫煙者が182人、喫煙者が43人、妊娠中の禁煙者が41人だった。喫煙者の喫煙量は、妊娠前は15本/日(中央値、以下同様)、妊娠中は7本/日、禁煙者は妊娠前に10本/日吸っていた。禁煙者の禁煙期間は5週間だった。

 喫煙者の子どもの出生時体重は3.30(2.54-4.14)kgで、非喫煙者の子どもの3.65(3.01-4.50)kg、禁煙者の子どもの3.60(3.06-4.55)kgに比べて有意に小さかった。身長頭部周囲径も同様に、喫煙者の子どもでは非喫煙者、禁煙者の子どもに比べ、有意に小さかった(表1)。

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