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日本高血圧学会2008
Ca拮抗薬の追加か、ARBの増量か
どうする?ARB常用量で十分な降圧効果が得られない場合

2008/10/20
小田 修司

東北大の今井潤氏

 常用量のアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)投与で十分な降圧効果が得られない場合、さらにARBを増量すべきかCa拮抗薬を追加すべきか――。第31回日本高血圧学会総会(10月9~11日、札幌)で、ARBの増量とCa拮抗薬追加を直接比較した2つのポスター発表があった。Ca拮抗薬追加の方が降圧効果は高いという点で両演者の結論は一致。しかしARB増量でもCa拮抗薬追加でも降圧目標の達成率は低く、いずれにしても「次の一手」を考える必要がありそうだ。

 東北大大学院臨床薬学分野の今井潤氏らは、ARBの通常量処方で十分な降圧効果が得られていない2型糖尿病を伴う高血圧患者を、ARB増量投与群とCa拮抗薬追加群に非盲検で無作為に割付け、血圧降下度などを観察した試験「ADVANCED-J」の結果を報告した。

 同試験では、ARBを8週間以上処方しても外来血圧が135/85mmHg以上、かつ起床後家庭血圧が130/80mmHg以上の20歳以上の患者を多施設から316例登録、2群に無作為に割り付けた。最終的な解析対象者は263例だった(ARB増量群132例、Ca拮抗薬追加群131例)。

 ARB増量群には各ARBの最大投与量を処方、Ca拮抗薬追加群にはアムロジピン5mgを追加した。主要評価項目は12カ月後の起床後家庭血圧値の血圧降下度と、起床後家庭血圧の目標血圧値(125/80mmHg)の達成率とした。

 ARB増量群、Ca拮抗薬追加群ともに12カ月後に血圧降下が認められた。Ca拮抗薬追加群の平均収縮期血圧は、試験開始時の158.2mmHgから139.6mmHgに低下。ARB増量群は157.3mmHgから139.6mmHgに低下した。拡張期血圧はCa拮抗薬追加群が82.5mmHgから74.6mmHgに低下、ARB増量群が84.4mmHgから78.1mmHgに低下した。収縮期血圧、拡張期血圧ともにCa拮抗薬追加群の血圧降下度が有意に大きかった。

 ただし12カ月後における起床後家庭血圧の目標血圧値達成率は、ARB増量群5.8%、Ca拮抗薬追加群8.8%にとどまり、両群間に有意な差はなかった。

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