経皮的冠動脈形成術(PCI)を行ったST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の虚血イベント発症予防効果は、クロピドグレルよりプラスグレルの方が優れている可能性が示された。
これは、30カ国707施設が参加した大規模臨床試験「TRITON-TIMI 38(Trial to Assess Improvement in Therapeutic Outcomes by Optimizing Platelet Inhibition with Prasugrel- Thrombosis in Myocardial Infarction 38)」のサブ解析の結果の一つ。ESC2008のClinical Trial Updateセッションで、フランスのG. Montalescot氏が発表した。
TRITON-TIMI 38には、中等度~高リスクの不安定狭心症患者、非ST上昇型心筋梗塞患者、薬物療法を受けたSTEMI患者で冠動脈病変がPCIに適合する患者、合わせて1万3608例が登録されている。今回のサブ解析では、このうち、STEMI患者3534例を対象としたもので、STEMI症例における再灌流に関し、プラスグレルとクロピドグレルを比較した研究としては最大規模。
これらの患者をPCI後、平均15.2カ月追跡した結果、主要評価項目(15カ月間の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の発症)については、プラスグレル群10.0%に対しクロピドグレル群12.4%となり、プラスグレル群で有意に発症が抑制されたことが分かった(p=0.02)。相対危険率は21%低く、NNTは42だった。
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