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日本循環器学会2008
慢性心不全患者へのβ遮断薬投与
常用量でも運動療法による運動耐容能改善を促進

2008/06/24
高志 昌宏

北野病院の中根英策氏

 β遮断薬カルベジロールは常用量でも、運動療法による慢性心不全患者の運動耐容能改善を促進させる可能性のあることが明らかとなった。第72回日本循環器学会総会・学術集会で、北野病院心臓病センターの中根英策氏らが発表した。

 対象とした患者は、慢性心不全の憎悪、急性心筋梗塞、狭心症、心臓手術で入院し、運動療法を導入した計86人。β遮断薬のカルベジロール投与群(平均用量6.5mg/日、45人)と非投与群(対照群、41人)の2群に分けて、退院前と退院3カ月後の最大酸素摂取量(peak VO2)、嫌気性代謝閾値における酸素摂取量(AT VO2)、圧受容体反射(BRS)、血液データ(BNP、ノルエピネフリン、高感度CRP、IL-6)などを比較した。

 運動療法の内容は、歩行や自転車などの持久的運動をボルグ指数11以上の強度で、週3回以上、1回20分以上行っていることとした。ボルグ指数11とは「ややきつい」と「楽」の間に位置する強度だ。

 両群は、試験開始時の左室駆出率、虚血性心疾患の既往、高血圧や糖尿病の合併率、喫煙率、スタチン以外の循環器用薬の服用状況、peak VO2、AT VO2、BRS、ノルエピネフリン以外の血液データなどでは差がなかった。有意差があった項目は、平均年齢(β遮断薬群61.8歳、対照群67.8歳)、高脂血症合併率(同60%対32%)、スタチン処方率(同56%対27%)、ノルエピネフリン濃度(同392pg/mL対275pg/mL)の4点。

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