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日本循環器学会2008
日本人のブルガダ症候群、予後調査まとまる
タイプ1の心電図所見と突然死の家族歴の重複例は要注意

2008/06/24
高志 昌宏

国立循環器病センターの鎌倉史郎氏

 日本人を対象としたブルガダ症候群の予後調査の結果がまとまった。国立循環器病センター心臓血管内科部長の鎌倉史郎氏を中心とする厚労省循環器病委託研究で行われていたもので、今春の第72回日本循環器学会総会・学術集会で鎌倉氏が発表した。患者(発端者)の女性比率4%、突然死の家族歴も18%にとどまり、心電図異常のみか失神の既往だけなら予後良好といった、日本人のブルガダ症候群の実像が明らかとなった。

 本研究では、心電図V1~V3誘導で1mm以上のcoved型ないしsaddleback型のST上昇が観察された470例を登録、2001年から2007年3月までプロスペクティブに追跡した(平均追跡期間49カ月)。登録症例中で解析対象としたのは、12カ月以上追跡できた345例(タイプ1:252例、非タイプ1:93例)だ。

 なお、タイプ1とは心電図上、「J点≧2mm、coved型でT波は陰転」と定義される症例。一方、非タイプ1は、同様に心電図上のタイプ2「J点≧2mm、saddleback型でST終末部≧1mm」とタイプ3「J点≧2mm、ST終末部<1mm」に加えて、J点での上昇が1.0mm以上2.0mm未満でcoved型ないしはsaddleback型のST上昇を示し、かつ薬物負荷や経過観察でタイプ1に移行しなかった症例である。

 345例の発端者中、女性比率は4%(欧米では25%)、突然死の家族歴がある人も18%(同、50%以上)にとどまった。どちらも欧米の報告に比べかなり少ない。平均49カ月の追跡期間中、心事故(突然死、心室細動[VF]による埋込み型除細動器[ICD]作動)はタイプ1が22例(8.7%)、非タイプ1が8例(8.6%)だった。

失神群や無症候群からの心事故発生は低率
 患者の既往からVF/心蘇生群、失神群、無症候群にわけて心事故の発生を比較すると、ほとんどの心事故はVF/心蘇生群から発生しており、VF/心蘇生群の年間心事故発生率はタイプ1で9.7%、非タイプ1が17%とどちらも高率だった。これに対して失神群や無症候群では心事故発生率は低く、失神群ではタイプ1、非タイプ1ともに0.5%、無症候群ではタイプ1が1.1%、非タイプ1では0%だった。

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