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欧州心臓学会(ESC)2009
SYNTAX試験2年目のデータでもCABGが優位
ESC: SYNTAX Still Gives Edge to CABG

2009/09/28

 SYNTAX試験に登録された1800例の被験者から得られた2年目のデータは、複雑な冠病変の治療に対しては冠動脈バイパス術CAGB)の方が薬剤溶出ステントTAXUSステント)留置術よりも優れるとした1年前の結論を再確認するものだった。

 TAXUS群ではCABG群と比較して、いまだ再血行再建術施行率が高く、わずかだが統計的に有意な心筋梗塞の増加が見られた。しかし、1年目の成績と2年目の成績を比較すると、いくつかの項目で新たに有意差が出ていた。

 オランダ・エラスムスメディカルセンターのArie Pieter Kappetein氏が、第31回欧州心臓学会(ESC2009)で報告した。

 1年目に見られたCABGに伴う脳卒中の過剰リスクは小さくなり、2年目の脳卒中発生率は2群間で有意差がなくなった(CABG群0.6% vs. TAXUS群0.7%、P=0.82)。

 一方、同じ期間で心筋梗塞の発生が増え、CABG群の0.1%に対しTAXUS群では1.2%になった(P=0.008)。

 1年後の時点ではCABG群を勝利に導く原動力となった再血行再建術施行率(TAXUS群13.5% vs. CABG群5.9%)は、1年以降ではCABG群の3.7%に対しTAXUS群は5.6%と差が縮小し、有意差はなくなった(P=0.06)。

 だがKappetein氏によれば、「2年間の再血行再建術施行率は、TAXUS群の17.4%に対しCABG群は8.6%で、依然としてCABG群の方が明らかに優位(P<0.001)」とのことだ。

 全体として、2年間の主要な心血管・脳血管有害事象(MACCE)発生率は、依然としてTAXUS群(23.4%)の方がCABG群(16.3%)よりも有意に高かった(P<0.001)。

 死亡率については1年後と同様に2年後のデータでも差はなく、6.2%対4.9%だった(P=0.24)。

 1年前、CABGは依然として複雑な冠動脈病変の優れた治療であるとして大々的に宣伝されたことは記憶に新しい。だがその後、冠動脈ステント治療が下火になったり、CABGの施行件数が急増したとは思えないと、ポルトガル・コインブラ大学のManuel J. Antunes氏は語った。

 「実地医療に対しては影響を与えなかったということだろう」(Antunes氏)。

 

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