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薬剤溶出ステント、不利な証拠論議で使用量が急減
Drug-Eluting Stent Use Plunged with Evolving Evidence

2009/08/28

 薬剤溶出ステントDES)留置後の遅発性ステント血栓症リスクを巡る論争が巻き起こった後、DESの市場シェアが30%縮小した。これは心疾患の実地医療でこれまでに見られた最も急激な変化だった、と研究者らは語った。

 米国デューク大学メディカルセンターのMatthew T. Roe氏らによると、2006年に不利な観察結果が初めて発表される前には、DESは経皮的冠動脈形成術PCI)の90%以上で使用されていた。

 しかし、翌6カ月の間に67%にまで低下し、2008年初期までに58%に低下したと、Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes誌2009年9月号で同氏らが報告した。

 この急速な低下は、2006年9月の欧州心臓学会(ESC)で、ベアメタルステントBMS)と比較してステント血栓症および関連イベントの長期リスクが上昇することが示されたことから勃発した議論に対する「速やかな反応」であると思われる。

 これは、ほかの循環器用薬に関する臨床上の警告や公衆衛生上の勧告の影響が比較的小さかったこととは対照的であると、Roe氏のグループは指摘している。

 「我々は、それが正しいのか誤りなのかについては言及していない」と、Roe氏は語る。

 しかし、DESに関するごく最近の証拠は決定的ではないにせよ、いくらか安心させられるものであったことから、同氏はこの変化は過剰な反応だったと述べている。

 「試験結果に関する適切な見方としての専門家の推奨を、診療を行っている臨床医が即座に得られるよう、専門学会はデータが発表されたら極めて速やかにかつ慎重に、データを評価する方法を探る必要がある。さらに、そのデータがガイドラインに対してどのような意味を持つかを、専門家に討議させるべきである」と、Roe氏は助言している。

 米国心臓協会(AHA)会長のClyde W. Yancy氏は、情報の伝播速度の高まりが現場に強い影響を及ぼすことを認めている。

 この変化には「速やか、かつ徹底したピアレビューと、新たなデータに対する敏捷な対応」が必要であると、Yancy氏は用意した声明でコメントした。

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