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無症候性脳梗塞のリスクは高血圧があると上昇
'Silent Stroke' Risk Rises With Hypertension

2009/08/26

 一般集団ベースで実施された前向き研究から、高血圧は、いわゆる無症候性脳梗塞ラクナ梗塞)のリスクを60%増加させることが明らかになった。

 高齢成人においてラクナ梗塞の有所見率と関連する因子は、これ以外にはMRIによる白質の高信号病変、および前室と脳容積の比だったと、オーストラリア・シドニーにあるPrince of Wales病院のPerminder Sachdev氏らは結論付けた。

 同氏らは、この知見をNeurology誌7月28日号に報告した。

 ラクナ梗塞は、一般に脳の深部にある2cm以下の虚血性病変を指す。

 偶然見いだされたものだが、ラクナ梗塞は「実際には無症候性ばかりではなく認知障害を伴っていることもある上、集積したり重要な領域に存在する場合は血管性痴呆の病理学的なリスクになるとされている。そのため、介入可能な危険因子を発見することは、脳血管疾患の発症予防につながる」とSachdev氏。

 Sachdev氏のグループは、大規模な前向き縦断研究であるPATH Through Life研究の60~64歳コホートにおける観察結果を解析した。

 このコホートの被験者477例は、オーストラリアの2つの地域の選挙人名簿(compulsory electoral roll)からランダムに抽出された。本試験では、4年の間隔で撮影した2回の脳MRIスキャンも評価項目とした。

 ベースライン時点で、被験者の7.8%に少なくとも1カ所のラクナ梗塞がMRIで検出されたが、これはほかの地域ベースの研究における有所見率と同等だった。

 2回目のMRIでは、患者の1.6%に新たなラクナ梗塞を認め、有所見率は8.8%となった。

 ラクナ梗塞を認めた人は高血圧が有意に多く(59.5% 対 39.8%、P=0.015)、平均収縮期血圧(85.81 対 82.61mmHg、P=0.035)および平均動脈圧(105.53 対 101.13mmHg、P=0.037)も高かった。

 だが、拡張期血圧はラクナ梗塞と関連していなかった。また高血圧の程度も、病変数とは関連していないようだった(P=0.562)。

 回帰分析において、ラクナ梗塞の独立した予測変数となったものを以下に示す:

・高血圧(オッズ比[OR]:1.6、P=0.045)
・前室対脳容積比が高いこと(OR:1.02、P=0.020)。白質の喪失による中央部委縮を示している。
・白質の高信号病変(OR:4.9、P=0.008)

 

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