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より低い降圧目標値を目指してもメリットなし
Lower Blood Pressure Targets Offer No Benefits

2009/08/17

 降圧目標値は低いほどよいとは限らず、通常の目標値である140/90mmHg未満よりさらに下げても罹病率や死亡率は下がらないことが、コクラン・レビューから明らかになった。

 降圧目標値を低く設定して患者を治療すると、通常の目標値で治療するよりも血圧は低下したが、その差は収縮期血圧が平均3.9mmHg、拡張期血圧が平均3.4mmHgとわずかだった。コスタリカ大学のJose Agustin Arguedas氏らが報告した(P<0.001)。

 さらに降圧目標値を下げても、以下の重要なイベントの発生との間に関連は見られなかった。
・総死亡(相対リスク[RR]:0.92、95%信頼区間[95%CI]:0.86-1.15)
・心筋梗塞(RR:0.90、95%CI:0.74-1.09)
・脳卒中(RR:0.99、95%CI:0.79-1.25)
・うっ血性心不全(RR:0.88、95%CI:0.59-1.32)
・主要心血管イベント(RR:0.94、95%CI:0.83-1.07)
・末期腎疾患(RR:1.01、95%CI:0.81-1.27)

 糖尿病慢性腎疾患における感度分析でも、死亡および罹病のいずれの転帰においても、統計的有意差はなかった。

 「さらなる研究が必要ではあるが、現時点ではどんな高血圧患者においても140/90mmHg未満より低い値を目指すべき根拠はない」と研究者は指摘した。

 米国の高血圧治療ガイドライン(JNC7)では、糖尿病、心血管疾患、腎障害など特定のハイリスク集団の降圧目標値は、130/80mmHg未満を推奨している。

 「血圧の閾値は臨床において重要であるが、疫学的観察に基づいた恣意的なものでもある」とArguedas氏。

 そこで同氏らは、高血圧を有するか降圧薬を服用している合計2万2089例の成人を対象に、降圧目標値が135/85mmHg以下の場合と140-160/90-100mmHgの場合とを比較した7つのランダム化臨床試験すべてをメタ分析した。

 注目すべきは、収縮期血圧の目標値を下げようとした試験はなかったことである。7つの試験はすべて、拡張期血圧の目標値のみを下げようとしていた。

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