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American Society of Echocardiography(ASE)2009
心エコーで胸痛患者の心筋梗塞リスクを予測
ASE: Bedside Echo Predicts MI Risk of Chest Pain

2009/07/07

 救急部門において、心電図では診断がつかなかった心臓性胸痛の疑いがある症例に対し、ベッドサイドでの心エコー検査を加えて、4つの危険因子の評価を行うことで、正確に患者のリスクを階層化できることが分かった。

 米国Oregon Health and Science大学のKevin Wei氏が、the American Society of Echocardiographyの学術集会で報告したもので、同氏は「危険因子がつもない患者では、48時間のイベント発生率は1%未満だったが、4つの危険因子がすべてある患者では50%~60%に上昇していた」と語った。

 このアルゴリズムは、ほぼ2000例の患者からなる2つの救急部門コホートの評価において、その精度が保たれた。

 これまで臨床的なアルゴリズムおよび戦略について広く評価が行われてきたものの、心電図では診断のつかない胸痛患者については評価が困難だった。

 心エコー検査により、急性冠症候群を有する患者の特定、ならびに短期および長期予後の予測が可能であると立証された。そこでWei氏らの研究グループは、ベッドサイド心筋コントラストエコー法と、臨床上、および心電図上の危険因子を組み合わせた臨床アルゴリズムにより、胸痛があるが最初に心電図で診断できなかった患者に対して、有害事象の48時間リスクを正確に予測できるとの仮説を立てた。

 研究グループのプロトコールは、局所機能および心筋潅流を評価するために、病歴と身体診察、12誘導心電図、血液生化学的検査、および心筋コントラストエコー法からなっていた。心筋トロポニンI評価は、6時間の間隔をあけて2度実施した。

 患者の担当医にエコー検査の結果は知らされておらず、入院および退院は標準的な基準に基づいて行われた。

 異常心電図所見は、非特異的ST-T変化、T波逆転、左室肥大、伝導異常、および不整脈と定義した。

 心筋コントラストエコー法では、標準化手法を用いた。局所機能または心筋潅流のいずれかが、14セグメントモデルのうち少なくとも1セグメントで異常だった場合、検査結果は異常とみなした。

 主要評価項目は、医療記録に記載された非致死的急性心筋梗塞、または救急部門入院後48時間以内の心臓死とされた。

 試験モデルは、1166例のコホートにおいて作成し(Optison造影剤を用いて評価)、720例のコホートにおいて検証した(Definity造影剤を使用)。

 最初のコホートにおいて、患者679例(58%)は局所機能および潅流が正常であり、172例(15%)は局所機能が異常で潅流は正常、315例(27%)は機能と潅流に異常があった。

 Wei氏は、138例に急性心筋梗塞が発生、4例が心臓が原因で死亡したので、48時間のイベント率は12%だったと報告した。

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