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米国糖尿病学会(ADA)2009
新しい抗肥満薬は糖尿病にも効果
ADA: Weight-Loss Drugs May Have Benefit in Diabetes

2009/07/03

 開発中の3つの抗肥満薬が、糖尿病の予防や治療にも有益かもしれない。

 第69回米国糖尿病学会の学術集会で発表された3件の研究によると、3剤はいずれも、肥満に加えて糖尿病の危険因子(血糖値、血圧、中性脂肪など)を改善した。

 Qnexa(phentermine と topiramateの合剤)の治験責任者としてデータを発表したWeill-Cornell医科大学のLouis Aronne氏は「スルホニル尿素薬やチアゾリジン系薬に代わり、次世代の糖尿病治療薬は抗肥満薬になるかもしれない」と語る。

 同氏によれば、3剤は優劣つけがたく、lorcaserinContrave(bupropion と naltrexoneの合剤)についても、Qnexaと同様の改善を示したと語った。

 しかし、口演およびポスターセッションによれば、心代謝系へのメリットはそれぞれ異なっていた。

 lorcaserin投与患者は、プラセボ投与患者よりも、空腹時血漿グルコース値が有意に低下し、空腹時インスリンとHOMA-IRにより測定したインスリン抵抗性がより大きく低下した(P<0.0001)。

 lorcaserinのメーカー、Arena Pharmaceuticalsの臨床開発部門副社長Christen M. Anderson氏によると、本剤を投与した患者は対照群と比較して、血圧、総コレステロール、および中性脂肪も有意に低下したという。

 Anderson氏は研究者の1人として、BLOOM(Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management)試験の2年目の知見を、レイトブレーキング・ポスターセッションで発表し、「インスリン抵抗性および心血管疾患のバイオマーカーが、劇的に改善した」と語った。

 5%以上の体重減少は実薬群の47.5%に対し、プラセボ群は20.3%、10%以上の体重減少は実薬群では22.6%だったが、プラセボ群は7.7%だった(P<0.0001)。

 「実薬を継続中の患者と、1年後にプラセボに切り替えた患者を2年後に比較したところ、継続患者の方が有意に大きな体重減少を維持していた。我々は、さらに長期間の治療についても見ていくつもりだ」と、Anderson氏は語っている。

 同氏は、本剤が投与された2年間に、弁閉鎖不全症が過度に増加することはなかった点を強調した。これはかつて、抗肥満薬であるphentermine と fenfluramineの合剤(Phen-Fen)で見られた問題であり、この薬剤は心血管系の合併症が増加したために販売中止となった。

 また、うつ病や自殺念虜のリスク上昇との関連もなかったという。

 2つの試験によると、Qnexaは糖尿病および糖尿病予備軍のいずれにおいても、HbA1c値の有意な減少を示した。

 米国アラバマ大学のW. Timothy Garvey氏によると、本剤を服薬中の糖尿病患者では、HbA1cがベースラインよりも1.6%低下したのに対し、プラセボ群は1.1%の低下にとどまった(P=0.038)。

 Garvey氏は糖尿病患者130例を対象とした56週間の試験から得られた知見を、口演セッションで発表した。

 実薬群では血圧および中性脂肪の有意な低下が見られ、空腹時血漿グルコースの低下については、プラセボ群では171mg/dLから145mg/dLだったのに対し、実薬群では176mg/dLから133mg/dL (P=0.02)と、より良好だった。

 「さらに実薬群は、糖尿病治療薬の使用が対照群よりも有意に減少し、空腹時血糖、収縮期血圧および胴囲も有意に改善した。これらの結果から、本剤は血糖をコントロールし減量効果を持続させるなど、糖尿病管理に重要な役割を果たす可能性がある」とGarvey氏は語った。

 同氏は、実薬群で少なくとも5%の体重減少を示したのは65%だったが、プラセボ群では24%だったことを指摘した(P<0.001)。さらに、実薬群では合計37% が少なくとも10%の体重減少を示したが、プラセボ群は9%だった(P<0.001)。


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