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ICD植え込みの資格に関する問題
Certification Matters in ICD Implants

2009/05/14

 米国のナショナルレジストリーのデータから、電気生理学を専門としない医師が植込み型除細動器ICD)を植え込んだ場合、合併症の発生率が有意に高いことがわかった。

 ICDを取り扱った電気生理学を専門としていない医師では、胸部外科医による植え込み件数が最も少なく、合併症の発生率が最も高かったという。米・エール大学のJeptha Curtis氏らが、JAMA誌4月22日号に報告した。

 さらに、心臓再同期療法の適応例に対する両室ページング機能付き植込み除細動器CRT-D)の植え込み件数も胸部外科医が最も少なかった。電気生理学専門医ではない心臓専門医による植え込みは、胸部外科医よりは合併症が少なかったが、CRT-Dを必要とする患者への植え込み率に関しては、心臓専門医以外の医師に勝るものではなかった。

 「ICDレジストリーによると、電気生理学を専門医としていない医師がICDの29%を植え込んでいる。専門でない医師にICDを植え込まれた患者は、専門医に植え込まれた患者と比較して、処置に関連した合併症リスクが上昇しており、心臓再同期療法の適応例にCRT-Dが植え込まれる率も低い」と著者らは語っている。

 「これらの観察結果がほかの研究でも確認された場合、電気生理学を専門としていない医師のICD植え込みに関して、研修の必要性や研修方法の再評価が必要と思われる」とも著者らは言う。

 本研究を受けてHeart Rhythm Society(HRS)は、「この新たな研究は、電気生理学の研修と患者転帰の改善を直接関連づけるものである」ことを強調した声明を発表した。

 HRS会長のN.A. Mark Estes氏は、「この重要な研究により、ICDまたはCRT療法を必要とする患者に最適な治療を施すには、訓練と経験を積んだ電気生理学専門医が最適であるとの学会の立場が確認された」と語った。

 近年、ICDの適応となる患者人口が増加してきていることから、その植え込みを誰が行うべきかという問題が持ち上がっていた。現在、専門の異なる医師がICDを植え込んでおり、その研修は標準化されていない。

 「研修コースの範囲には、American Board of Internal Medicine(ABIM)認定の電気生理学フェローシップを修了することから、企業スポンサーによる研修プログラムまである」と著者らは述べる。

 ICD植え込みの転帰を、異なるタイプの研修を受けた医師間で比較したデータがないため、この議論は複雑になってきていると著者らは続けた。

 さらに、心臓再同期療法が可能なICDの植え込みで利益が得られる患者にとっては、デバイスの選択が重要な問題となってきている。

 そこで、著者らは米国心臓学会のナショナル心血管データレジストリー (NCDR)に注目した。参加している病院はICD植え込みに関するデータを提供し、全国のベンチマークに対する自らの成績を評価することができる。

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