日経メディカルのロゴ画像

糖尿病新薬に心血管リスクの懸念見られずとFDA
No Cardiovascular Safety Concerns for Novel Diabetes Drug Seen in FDA Review

2009/04/13

 FDAスタッフのレビューによれば、現在調査中の糖尿病治療薬サクサグリプチン(saxagliptin、米国での商品名Onglyza)には、他の一部の糖尿病薬で見られた心血管イベントのリスク上昇は認められなかったという。このレビューは、水曜日の内分泌代謝用薬諮問委員会(the Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee)開催に先立ち発表された。

 同諮問委員会は、Bristol-Myers Squibb社が開発したサクサグリプチンの最終的な承認勧告のとりまとめを要請されてはいない。

 その代わりにFDAは、同薬の心血管安全性について委員会メンバーに意見を求めた。ただし、評価対象となった複数の試験は、サクサグリプチンの心血管リスクの評価を目的としてデザインされたものではない。

 FDAは2008年、新規の糖尿病治療薬に対して、心血管イベントのリスクを上昇させないことの証明を製薬会社に求めた厳格な基準を採用した。本薬剤もその対象になった。

 昨年6月、心血管イベントのリスク上昇が示されたロシグリタゾン(Avandia)がらみの論争に喚起されて、FDAは糖尿病治療薬の安全性要件を高めた。

 FDAの2008年6月の指針書により、臨床試験は、主要心血管イベントについてあらかじめ規定したメタ分析が信頼性高く実施できるようにデザインすることとされた。より長期の心血管リスクデータを得るために、一般的な試験の追跡期間である3~6カ月間よりも長くなるだろうと当局は語った。

 この指針以前にFDAに承認申請されていた他の2つのグリプチン系薬(Novartis社のビルダグリプチンと武田薬品工業のアログリプチン)は、現在、無期限延期という事態に直面していることが明らかになった。

 これらの薬剤はDPP-4酵素を阻害し、glucagon like peptid-1(GLP-1)の分解を防ぐ。その結果、グルコース依存的インスリン分泌の促進、胃内容物排出の遅延、不適切な食後グルカゴン分泌の抑制、血糖値の低下、食事摂取量の減少などが起こる。

 FDAからの新たなデータ要求に対してNovartis社は、欧州で既に承認されているビルダグリプチンの申請を取り下げた。武田薬品工業はアログリプチンの申請を取り下げてはおらず、追加試験を実施しなければならないかFDAと協議中である。

 サクサグリプチンの場合、Bristol-Myers Squibb社が既存の試験データを用いて事後解析を実施することでFDAと合意していた。

 「心血管リスク評価に関するプロスペクティブな試験がないにもかかわらず、FDAと申請者は、本治療における心血管リスクを客観的に評価するために努力してきた」と、FDAのレビューアーであるHylton Joffe氏とMary Perks氏はブリーフィング資料に記している。

 

この記事を読んでいる人におすすめ