日経メディカルのロゴ画像

FDA諮問委員会、ドロネダロンの承認を勧告
FDA Panel Recommends Approval of Atrial Fibrillation Drug

2009/04/09

 米食品医薬品局FDA)の諮問委員会は、非持続性(nonpermanent)心房細動の治療にドロネダロン(米国での商品名Multaq)の承認を勧告したが、製薬会社が「命を救う」とうたうことには懸念を示した。

 心血管・腎疾患用薬諮問委員会(the Cardiovascular and Renal Drugs Committee)は10対3で、ドロネダロンの承認勧告を決議した。本剤が心房細動や心房粗動の発生を遅らせて入院を減らすことができるというsanofi-aventis社の主張に、多くの委員が同意した。FDAは通常、最終決定する前に諮問委員会の勧告を受けている。

 反対票を投じた委員は、長年、製薬業界およびFDAを批判してきた消費者代表のSidney Wolfe氏(Public CitizenのHealth Research Groupディレクターを務める医師)、患者代表のRobert Dubb氏、米ニューヨーク大医学部のLewis Nelson氏の3人だった。

 委員会は、患者4628例を対象としたATHENA試験の結果を高く評価した。この試験では、本剤の投与により総死亡または心血管イベントによる入院という主要複合エンドポイントのリスクが24%低下した(95%信頼区間:0.69-0.84、P<0.001)。

 米ダラスにあるテキサス大Southwestern Medical Centerの循環器医で、sanofi-aventis社の代理として発言したMilton Packer氏は、21カ月間でドロネダロンを投与した患者12人中1人を救命できたと語った。

 この主張にもかかわらず、委員会は同社のデータが生存に関する利益の主張を裏付けてないとする。

 「死亡率が改善したと主張するには、この情報では明らかに不十分だと私は考えている」と、米クリーブランド・クリニックの循環器医であるA. Michael Lincoff氏は話す。

 委員らは、入院および死亡の具体的理由が十分に分析できていない点で、sanofi-aventis社を批判した。

 FDA心血管・腎疾患製品部門(the Cardiovascular and Renal Products Division)の主席審査員であるAbraham Karkowsky氏は、本試験でのほぼすべての入院が心房細動によるものだが、より完全な症状の記録がないため、重症度の確認が困難だと述べた。

 さらに、本試験は主要エンドポイントである心血管イベントによる入院の減少についての検出力を非常に高くしていたために、副次的アウトカムである総死亡では有意差がつかなかったと、米デューク大医学部教授で循環器医のRobert Harrington氏は語った。

 本剤の死亡に対する利益に関し委員が抱いている不安の多くは、ドロネダロン服用者の死亡のリスクがプラセボ服用者の2倍になった過去の試験に起因していた。ANDROMEDAと命名されていたその試験は早期に中止され、そのことが前回2006年のドロネダロンの承認申請の却下につながった。

「ANDROMEDA試験のため、大きなジレンマが生じている」とPublic CitizenのWolfe氏は話す。

この記事を読んでいる人におすすめ