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交通渋滞が心筋梗塞を誘発する
Traffic Jams May Trigger Heart Attack

2009/04/02

 交通渋滞に巻き込まれるだけで、心筋梗塞のリスクは高まるようだ。米国心臓協会(AHA)によるConference on Cardiovascular Disease Epidemiology and Preventionにおいて、米ハーバード大公衆衛生学部のAnnette Peters氏は、「心筋梗塞の患者では、発症前1時間以内に渋滞に巻き込まれていた確率が3倍以上も高かった」と報告した。

 これまでにも、都市部で交通渋滞に巻き込まれることと心血管疾患の悪化との間に関連を認めた研究がある。また、患者691例を対象としたケースシリーズ研究では、渋滞に巻き込まれることが心筋梗塞の引き金になっている可能性を見出した。

 この可能性についてさらに検討するため、Peter氏らは1999年2月~2003年12月に、ドイツ・アウグスブルグで行われているKORA Myocardial Infarction Registryから、心筋梗塞症例1454例を特定した。

 研究グループは、症状発生の4日前までに交通渋滞に巻き込まれたかどうかを含めて、心筋梗塞の引き金となった可能性のある要因について、患者聞き取り調査を行った。交通渋滞には、自動車運転中、公共交通機関を使用中、二輪車運転中の渋滞を含めた。

 その結果、交通渋滞に巻き込まれることと1時間後の心筋梗塞の発症との間には関連が認められた(オッズ比:3.2、95%信頼区間:2.7-3.9、P<0.001)。

 さらに、交通渋滞に巻き込まれてから最長6時間後でも、小さいながら有意な関連がみられた。

 渋滞に巻き込まれた状況としては、自動車運転中が最も多かったが、公共交通機関や自転車に乗っているときの渋滞でも、1時間後の症状発生と関連していた。

 女性では、交通渋滞に遭遇した後の心筋梗塞のリスクは5倍に上昇していた。その他のハイリスク者には、失業者や狭心症歴のある人などが含まれていた。

 本研究では因果関係を立証することはできないが、Peters氏はこの関連について、交通渋滞による大気汚染や排気ガスだけでなく、ストレスと大気汚染の相乗作用が状態の悪化を招いているのだろうとしている。

 「症例数を増やした本研究でも、両者の関連を再確認できたことは心強いことである。今後、この背景にあるものは大気汚染なのかストレスなのか、その両方なのかといったことを明らかにすることが重要だ」とPeters氏は語っている。

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