日経メディカルのロゴ画像

Retroviruses and Opportunistic Infections 2009
HIV感染はアテローム性動脈硬化リスクを上昇させる
CROI:HIV Increases Risk of Atherosclerosis

2009/03/03

 HIV感染は、アテローム性動脈硬化症の危険因子であり、喫煙など従来から知られているリスクと同様に重要であることが明らかとなった。the 16th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infectionsで、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のCarl Grunfeld氏が発表した。

 Grunfeld氏はHIV感染によるリスク上昇について、「我々が普段考慮するすべての主要危険因子とほぼ同じレベルで、男性や、喫煙と同じであり、糖尿病よりわずかに高く、およそ5から10歳の加齢とほぼ等しい」と語る。

 これは、HIV感染者433例と、心血管イベント歴がない健常対照者5749例を対象とした観察研究で明らかになったもの。Grunfeld氏らは、内頸動脈および総頸動脈の内膜中膜肥厚度(IMT)を比較した。

 内頸動脈について、年齢、性別および人種について調整して比較したところ、HIV感染群の平均IMTは、対照群よりも0.188mm有意に厚かった(P<0.0001)。古典的な危険因子についてさらに調節するとこの影響は少し弱まり、差は0.148mmとなるが依然として有意だった(P=0.0001)。

 総頸動脈では、患者背景および古典的危険因子について調節後も、HIV感染群においてIMTは厚く、その差は0.033mm(P=0.005)だった。

 なお、この研究において、喫煙とIMTに関して解析を行った結果、内頸動脈で0.173mm(P<0.0001)、総頸動脈で0.020mm(P<0.001)の増加がみられた。性とIMTとの関連では、男性の場合、内頸動脈および総頸動脈がそれぞれ0.13mmおよび0.054mm厚かった(P<0.0001)。

 複数の研究者が、Grunfeld氏の結論を支持している。「この結果は、治療を早期から開始することだけでなく、心血管疾患との関連が低いレジメンを選択することも必要であることを意味している」と、米カリフォルニア大サンディエゴ校のScott Letendre氏は話す。さらに、カナダMount Sinai病院でHIV患者のプライマリケアを専門とするAlex Klein氏は、「患者を治療する際、新たな危険因子を考慮することが重要である」と指摘している。

この記事を読んでいる人におすすめ