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クロピドグレルの効果が出ないのはなぜ? FDAが検討開始
FDA to Study Safety of Clopidogrel

2009/02/04

 米食品医薬品局FDA)は、一部の患者でクロピドグレル抗血小板作用が減弱することに関して検討を開始すると発表した。

 FDAによると、この検討はsanofi-aventis社およびBristol-Myers Squibb社と共同で実施するもので、クロピドグレルに対する抵抗性の原因が、遺伝的要因なのか、プロトンポンプ阻害薬PPI)との相互作用なのか、またはその両者も関与しているのかを検討する。

 これまでの試験では、クロピドグレル投与患者の5~15%で抗血小板作用の減弱が報告されている。

 クロピドグレルはプロドラッグであり、抗血小板作用を発揮するためには薬物代謝酵素CYP2C19による代謝を必要とする。一部の患者でクロピドグレルの作用が減弱する原因として、CYP2C19酵素の遺伝的変異を指摘する研究がある。一方で、PPIによりクロピドグレルの活性体への代謝が阻害されていることを示唆する研究もある。一般的に、クロピドグレルは胃炎を生じる可能性が多いとされ、多くの医師はPPIを合わせて処方しているのが現状だ。

 FDAによれば、製薬メーカー2社は「クロピドグレルの効果に対する遺伝的要因の影響や、PPIを中心とした他の薬剤が及ぼす影響について理解を深め、その詳細を明らかにするような情報を得るための検討」に協力することで同意したという。終了まで数カ月間かかるだろうとFDAは予想している。

 クロピドグレルの効果が減弱する原因としてPPIの関与が認められた場合は、併用薬をクロピドグレルの代謝に影響を与えない薬剤に変更すれば避けられる可能性がある。その場合、PPIおよびクロピドグレルの添付文書が改訂されることになりそうだ。

 FDAは、この検討の結果が発表されるまでは、現在クロピドグレルを服用している患者が服用を中止する必要はなく、医師はこれまで通り処方を続けることを推奨している。しかし、クロピドグレル服用患者のPPI投与開始や継続について医師は注意する必要がある。「クロピドグレルに加えてPPIを服用中の患者または服用を検討している患者は、PPIのOTC薬の場合も含め、医師と相談すべきである」とFDAは指摘している。

 FDAによると、伝統的な制酸薬やH2ブロッカーは、クロピドグレルの抗血小板作用を阻害する可能性は低いとのことだ。

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