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経口避妊薬の心血管に対する安全性、JACC誌レビューより
Oral Contraceptives Make Gains in Cardiovascular Safety

2009/01/23

 新しい世代の経口ホルモン避妊薬では、以前の高用量製剤よりも心血管リスクが改善されてきた。J Am Coll Cardiol誌2009年1月20日号に掲載されたレビューによると、第3世代経口避妊薬はそれ以前の製剤と比較して、男性ホルモン様作用および代謝への副作用が少なく、心筋梗塞のリスクがなく、静脈血栓塞栓症のリスクが減少しているという。

 ただ、男性ホルモン様作用のない合成黄体ホルモンや経口以外の剤型による新規製剤に関する心血管データはないと、レビューの著者で共に米国Cedars-Sinai Medical Centerに所属するChrisandra L. Shufelt氏とC. Noel Bairey Merz氏は語っている。

 現在米国では、一時的にせよ経口ホルモン避妊薬を用いたことがある女性は8割を超える。にもかかわらず、心血管疾患をエンドポイントとして慎重に企画された臨床試験は行われていない。そのため、「これら新規の製剤や避妊用経皮パッチなどは、従来の製剤より安全な選択肢だと考えない方が賢明である」と彼らは話す。

 これに対して、米国産科婦人科学会の広報担当を務めるFlorida大のAndrew M. Kaunitz氏は、女性たちは現代の避妊薬は安全であると確信していいと思うと反論した。

 Kaunitz氏によれば経口避妊薬は、「歴史上、最も良く研究されている薬剤の1つ」であり、「経口避妊薬の安全性を検討した研究論文はいくらでもある」とする。

 (心血管疾患についての)研究が乏しい理由としてShufelt氏とMerz氏は、「経口避妊薬は避妊にとっては有効かつ安全である上、閉経前女性は比較的心血管のリスクが低いことが一因だろう」という点で意見が一致している。

 心血管系の安全性についての詳細な検討は、心血管疾患の既往がない女性でも、閉経期ホルモン補充療法(HRT)によりイベントリスクが上昇すると結論されたWomen's Health Initiativeがきっかけとなった。

 閉経期HRTで用いる製剤のエストロゲン含量は、新世代の経口避妊薬よりはるかに少ない。

 HRTでは2.5~5μgのethinyl estradiolを用いるが、第1世代の経口避妊薬は、疑似妊娠状態にするために高用量(少なくとも150μg)のエストロゲンとestrane構造を持つ合成黄体ホルモン(norethindrone、norethindrone-acetate、ethynodiol diacetateなど)が含まれていた。

 第2世代以降の製剤では、エストロゲン量は2分の1~5分の1になり、合成黄体ホルモン量は最高で10分の1にまで減少した。第2世代および第3世代は、種類は異なるものの強力なgonane構造を持つ合成黄体ホルモンが用いられていた。

 提唱されている第4世代の定義は、テストステロン誘導体でない2種類の新たな合成黄体ホルモン(chlormadinone acetateとdrospirenone)を含む製剤というものだ。

 エストロゲン/合成黄体ホルモン配合の経皮パッチおよび膣リングにおけるethinyl estradiol放出量は15~20μgで、共に肝臓での初回通過代謝を避けることができる。

 

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