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FDA、ENHANCE試験のレビュー結果を公表
FDA Says ENHANCE Results Do Not Shake Cholesterol Theory

2009/01/21

 米食品医薬品局(FDA)は1月8日、シンバスタチンとエゼチミブの合剤がアテローム性動脈硬化の進展を抑制できるか評価したENHANCE試験のレビューを終え、コレステロールに関しては依然として低い方が好ましく、できるだけ下げられる治療が現時点でも最良と判断していることを明らかにした。

 ちょうど1年前、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症患者を対象にシンバスタチン単独とシンバスタチン/エゼチミブ合剤とを比較したENHANCE試験の結果が発表されると、さまざまな議論が巻き起こった。だがコレステロールに介入する真の利益については、あまり論じられなかった。

 このENHANCE試験の主要エンドポイントは頸動脈内膜中膜肥厚度(IMT)の変化で、合剤投与群ではLDLコレステロール(LDL-C)値が平均で56%低下したものの、主要エンドポイントは両群間で有意な差を見いだせなかった。

 試験結果が報告されてからわずか2週間後の2008年1月28日、FDAは試験のデータについて徹底したレビューを行うと発表した。このときFDAは、LDL-C上昇は心筋梗塞、脳卒中および突然心臓死の危険因子であり、LDL-Cを低下させることによりこのリスクは減少すると確信していると述べていた。

 今回の発表に際しFDAは、現在もこれが当局の見解であると語っている。

 FDAによれば、ENHANCE試験で有意差が出なかった理由は、試験デザインで説明が付くだろうという。この試験では過去に積極的な脂質低下療法を受けたことがある患者を登録したため、治療による利益が既に最大になっていた可能性がある。また、プラーク容積に影響を及ぼすには、2年間の介入では短すぎたのかもしれない。

 加えて、IMPROVE-IT(Improved Reduction of Outcomes: Vytorin Efficacy International Trial)の結果が出たときに、改めて脂質異常症の治療をレビューすることになるだろうと語った。

 IMPROVE-ITはシンバスタチン単独とシンバスタチン/エゼチミブ合剤を投与した患者1万8000例を対象に、心血管死、主要冠動脈イベントおよび脳卒中を比較するもので、終了するのは2012年となっている。それまで、シンバスタチン/エゼチミブ合剤や他のコレステロール低下薬の服用を中止すべきではなく、これらの薬剤について疑問がある場合は主治医に相談すべきであるとFDAは指摘している。

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