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STK39遺伝子の多型が高血圧と関連
Gene Variants Linked to Hypertension

2009/01/14

 腎臓の電解質輸送系に関与すると考えられているセリンスレオニンキナーゼ(STK39)遺伝子に見られる遺伝子多型が、収縮期血圧および拡張期血圧の両方の上昇と関連している可能性が示された。臨床医が減塩指導や利尿薬への反応性を予測するのに役立つかもしれない。これは、米メリーランド大のYen-Pei Christy Chang氏らが見出したもので、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Science)オンライン版に発表された。

 Chang氏らは、「この遺伝子に多型がある場合、利尿薬やその他の薬剤、あるいは減塩などのライフスタイルの変化に対しどのように反応するのかを明らかにしていく」という。同氏らは、今後さらなる研究が必要としながらも、「高血圧は他の多くの遺伝子、環境およびライフスタイルの要因が関与しており、STK39遺伝子は1つの要素に過ぎないが、その多型に関する知見は、患者の血圧をコントロールする最も効果的な方法を見つけるために有用な可能性がある」と付け加えた。

 この知見は当初、糖尿病と全ゲノムの関連性を調べるコホート研究であるAmish Family Diabetes Studyにおいて、研究に参加したOld Order Amishのボランティア542例に対する解析の結果、明らかになった。

 研究者らは、第2染色体上のSTK39遺伝子中の2つの一塩基多型(SNP)クラスターが収縮期血圧と関連することを見出した。この相関はp=8.9×10-6からp=9.1×10-5の範囲で有意であった。拡張期血圧でも、わずかに低いながら同様の関連性が見られた。

 2つのSNPクラスター(rs6749447およびrs3754777)について、Amishコホートの残りの557例を対象に解析した結果でも、この2つのSNPクラスターの相関が有意であることが明らかになった(rs6749447についてp=0.003、rs3754777についてp=0.02)。独立して収集したAmishコホートにおいても、2つのSNPは収縮期血圧と有意に関連しており、p<0.0001だった。

 これら3つのAmish群全てを合わせて検討すると、SNPのうち、マイナーアレルを1コピー持つ場合、収縮期血圧が3.0mmHg、拡張期血圧が1.0mmHg高くなると推定された。

 同グループは、他の2つの大規模な非Amishコホート(米Framinghan Heart StudyとDiabetes Genetics Initiative)から得た遺伝データも分析しており、同様の傾向を示す有意な関連を見出している。

 これらコホート研究を全て合わせて解析すると、「相関性を支持する説得力のあるエビデンス」(rs6749447についてp=1.6×10-7、rs3754777についてp=2.3×10-6)が得られ、SNPの効果の大きさは、収縮期血圧で2.0mmHg、拡張期血圧で1.0mmHgと推定された。

 今回解析された2つのSNPは、蛋白の構造は変化させないが、蛋白の産生量に影響を及ぼすと推測されている。

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