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ACC/AHAなどが冠血行再建術に関する基準を発表
Appropriateness Criteria Offered for Revascularization

2009/01/13

 冠動脈閉塞が起こった場合、適応がある場合はバイパス手術CAGB)が最良の選択であることが多いとする基準(Appropriateness Criteria)が1月5日に発表された。

 Texas A & M School of Medicine 教授のGregory J. Dehmer氏によると、左前下行枝近位部を含む2枝病変の場合、14の状態のうち13でCABGが適切な冠血行再建術と考えられるという。また左冠動脈主幹部や、左室機能および糖尿病の有無と関連しない別の冠動脈疾患がある場合も同様だ。

 ステント治療などの経皮的冠動脈インターベンションPCI)が適応となるのは、前述の14の状態では4にとどまり、それ以外の3状態でもステント治療の価値は未知数であるという。CABGが不適切でステント治療を選択すべき状態は、低心機能の3枝病変で複数のバイパスグラフトが機能しておらず、左内胸動脈のみ開存しているような症例に限られるとしている。

 Dehmer氏は6つの主要な循環器関連学会から招集された執筆グループの一員で、この基準は米国心臓学会の学会誌であるJ Am Coll Cardiol誌のオンライン版に発表された。

 本基準での冠血行再建術全体の適応や、CABGとPCIの適応の評価には、欧州心臓学会で2008年9月に発表されたSYNTAX試験から得た知見は考慮されていないと同氏は語っている。

 左冠動脈主幹部の新規病変を有する1800例を対象としたSYNTAX試験では、PCI施行患者の17.8%が12カ月後に複合エンドポイント(心筋梗塞、脳卒中、死亡または血行再建)に達したのに対し、CABGでは12.1%にとどまり、その差は統計的に有意だった(p=0.0015)。だが試験結果はまだ論文になっていないため、リスク・ベネフィットの評価ができなかった。

 Dehmer氏は、ガイドラインが新たに公表された知見に応じてコンスタントに更新されるのと同様に、「この基準も(更新や変更が行われる)“生きている文書”とみなすべき」と語っている。

 ただし、心不全やSTEMIなどの特定の疾患を扱うガイドラインとは異なり、本基準は実地医療に適用できるよう73の状態に要約した約180の臨床シナリオに基づいて作成された。

 この基準を用いることで、臨床医は、例えば、CABG、心不全および糖尿病の既往のある多枝冠動脈病変を有する患者に今回どのような治療を選択すべきか評価することができる。

 具体的には、点数化して7~9点になった場合は血行再建が適切とみなす。4~6点だった場合は、冠血行再建術の施行は許容できると考えられ、1~3点だった場合、血行再建は合理的なアプローチとは考えられず、行っても患者の転帰や生存期間が改善されるとは思われない。

 1つのシナリオを除き、パネルは血行再建の方法(CABG、PICまたは血栓溶解療法)は考慮せず、単純に血行再建の必要性を評価している。

 この基準は、American College of Cardiology Foundation Appropriateness Criteria Task Force、 Society of Cardovascular Angiography and Interventions (SCAI)、Society of Thoracic Surgeons(STS)、American Association for Thoracic Surgery(AATS)、米国心臓協会(AHA)、およびAmerican Society of Nuclear Cardiology (ASNC)により作成された。

本基準は、American Society of Echocardiography、Heart Failure Society of America、およびSociety of America Computed Tomographyにより支持されている。

Dehmer氏は、金銭的利益相反はないと語っている。

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