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受動喫煙率の低下による心疾患減少の定量的評価
Secondhand Smoke Is Declining Factor in Heart Disease

2008/12/18

 米国では、過去10年間に受動喫煙が25~40%減少しているが、その傾向が続けば受動喫煙に伴う心疾患の発症数および経済的負担は最大30%減少することが明らかになった。これは、米カリフォルニア大サンフランシスコ校のJames Lightwood氏らの解析結果で、American Journal of Preventive Medicine誌オンライン版に掲載された。ただし負担は依然として大きく、年間1万5000人以上が受動喫煙によると考えられる冠動脈疾患によって死亡していると著者らは主張している。

 著者らはいくつかの仮定に基づき、モンテカルロ・シミュレーションを用いて、受動喫煙率を含む危険因子の保有率を関数として、イベントおよびコストの推定を行った。検討には、2000年国勢調査(the 2000 census)、フラミンガム研究、国民健康栄養調査(the National Health and Nutrition Evaluation Survey)、および2000年国民健康聞き取り調査(the 2000 National Health Interview Survey)などを含む、公開されているデータベースを用いた。

 同氏らは、受動喫煙の心疾患に対する影響に関して2つの主なシナリオを設定して比較した。1つは、1999~2004年の能動および受動喫煙レベルが変わらず心疾患発症が現状維持されると仮定したシナリオ。もう1つが、88~06年に観察された受動喫煙の減少が08年まで続くと仮定したトレンド予測である。

 現状維持シナリオでは、受動喫煙は以下のような結果を生じると予測された。

* 年間2万1800~7万5100例の冠動脈疾患による死亡
* 年間3万8100~12万8900例の心筋梗塞
* 年間18億~60億ドルのコスト

 対して、トレンド予測では、受動喫煙は以下のような結果を生じると予測された。

* 年間1万5200~5万6900例の冠動脈疾患による死亡
* 年間2万6300~5万6900例の心筋梗塞
* 年間12億~46億ドルのコスト

 それぞれのシナリオに見られる数値の範囲は、受動喫煙に起因する冠動脈疾患発症の相対リスクによって変化するが、同氏は相対リスクを最低1.26、最大1.65として解析を行った。予測の不確実さの大部分は、真の相対リスクが分からないことに関連すると同氏は語っている。

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