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RAは心血管死リスクを上昇させる
RA Increases Cardiovascular Mortality Risk

2008/12/16

 対象患者が計10万人以上となるメタ解析の結果から、関節リウマチ(RA)は心血管死のリスクを50%増加させることが明らかとなった。虚血性心疾患および脳卒中による死亡も、RA患者は一般人と比較して50%以上高かった。

 Arthritis Research CenterのJ. Antonio Avina-Zubieta氏らが、Arthritis&Rheumatism誌12月15日号に報告した。

 筆者は、「メタ解析の対象となったここの研究間には、明らかなばらつきがあった。このばらつきは心血管死のリスク増加の程度に影響を及ぼしているかもしれないが、全体的な傾向を左右するものではない」とする。

 これまでのほとんどの研究では、RA患者は早期死亡のリスクが一般集団よりも高いことを明らかにしている。さらに、RA患者の約半数は心血管系の疾患で死亡していることを示す研究も多い。しかし、研究によってRA患者の標準化死亡比SMR)は大幅に異なっていた。

 RA患者の生存率は徐々に改善しているが、これはRAの早期診断とより積極的な治療が行われるようになったことと関連すると見られる。その結果、心血管疾患はRAの治療に関する研究のエンドポイントとして台頭してきた。

 RAに起因する心血管死リスクを明らかにするために、著者らは既に発表された24件の臨床研究データのメタ解析を行なった。解析対象となったデータは11万1758例で、合計2万2927件の心血管イベントが記録されていた。

 著者らは、心血管疾患、虚血性心疾患および脳血管疾患によるSMRのsummary estimatesを算出。その結果、RA患者の一般集団に比較したRA患者の心血管疾患によるSMRは1.50と算出された(95%CI:1.39-1.61)。

 虚血性心疾患による死亡リスクはRA患者の方が59%高く(95%CI:1.46-1.73)、脳血管疾患による死亡はRA患者の方が52%高かった(95%CI:1.40-1.67)。

 サブグループ解析を行った結果、2175例のRA患者からなるコホート研究(inception cohort studies)でのみ、一般人と比較して有意に高い心血管疾患死は示されなかった(SMR:1.19、95%CI:0.86~1.68)。

 著者らは、この試験における限界について、「我々のメタ解析には、登録時の年齢、罹病期間、疾患の重症度、RAの診断基準、および試験デザインの点で臨床的に異なったコホートを含んでいる。観察試験のメタ解析で見られるように、結果に不均質性が存在した。今回のメタ解析に含まれた研究の大半は、生物学的製剤が広く使用される前に患者登録していたため、得られた結果は生物学的製剤を投与されているRA症例に一般化することはできないだろう」と指摘した。

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