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ACC/AHA 成人の先天性心疾患の管理ガイドライン
専門医のケアを強調した新たなガイドライン策定される
Specialist Care Required for Adults with Congenital Heart Disease, Guidelines Say

2008/11/20

 「成人後に先天性心疾患により手術が必要になった場合も小児心臓外科医が行うべきである」「成長に伴う小児医療から成人医療への引き継ぎを確実に行い、先天性心疾患の若年患者が医療システムから脱落しないように注意する必要がある」――。いずれも米国心臓学会ACC)と米国心臓協会AHA)の合同委員会が発表した、「成人の先天性心疾患の管理ガイドラインACC/AHA 2008 Guidelines for the Management of Adults With Congenital Heart Disease)」による勧告だ。

 メイヨークリニックのCarole A. Warnes氏を第1著者としたこのガイドラインは、増加しつつある成人後の小児先天性心疾患患者の管理に関する初めての包括的ガイドラインとして、J Am Coll Cardiol誌およびCirculation誌に掲載された。ミシガン大のTara Karamlou氏により同時にCirculation誌に発表された研究によれば、このガイドラインによって死亡率の改善が見込めるという。

 先天性心疾患で小児期に修復手術を受けると複雑な解剖学的構造が残り、一生涯にわたるフォローアップが必要となる。経過とともに発生する合併症を治療するため、追加手術を行う場合もある。このような疾患では心臓病治療における課題も浮き彫りになると、AHA広報担当者でもあるジョージワシントン大のCraig Sable氏は語る。

 「先天性心疾患の小児患者が思春期や若齢成人期に達すると、医療システムからはじき出されることがしばしばある。20代後半から30代前半に再び受診したとき、彼らの複雑な状況に対応できない医療機関で治療を受けることになるかもしれない」。

 Warnes氏らは、一部はインフラの問題であると指摘している。ほとんどの小児心臓病の専門施設では、トレーニングされた看護師やソーシャルワーカーによる症例管理が行われ、患者にとって利用可能なインフラとして備わっているが、成人の医療システムにはこれがない。

 先天性心疾患は複雑であまりなじみがないことに加え、それに対応できる医療システムが整備されていないことをAHAやACCも認識しており、その対策として心臓病専門医が症例を管理し、どの時点で高次医療機関に紹介するかの判断をサポートする包括的ガイドラインが作成された。

 ガイドライン作成委員会は、可能な限りエビデンスに基づいた勧告を行うための文献レビューを行ったが、主なエビデンスは症例対照試験、サンプルサイズの小さい試験、および専門家の意見のレベルに限られていることに注意を促している。

 同委員会は、それぞれの小児心臓病チームは患者が12歳になるまでに、成人の心臓病専門医とペアを組み、小児医療から成人医療へ移行するプロセスを始めることを推奨した。

 

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