日経メディカルのロゴ画像

ロシグリタゾンが糖尿病治療薬の推奨リストから外れる
Guidelines Drop Rosiglitazone as Recommended Diabetes Agent

2008/11/05

 米国糖尿病協会(ADA)および欧州糖尿病学会(EASD)はコンセンサスステートメントを改訂し、2型糖尿病治療薬リストからロシグリタゾン(商品名Avandia、本邦未発売)を削除すると発表した。

 両学会はDiabetes Care誌およびDiabetologia誌のオンライン版で、生活習慣の改善やメトホルミン療法による血糖コントロールが十分ではない患者に対し、他にも推奨できる選択肢があることから、コンセンサスグループのメンバーは全会一致でロシグリタゾン使用に反対するに至ったと、見解を発表した。

 この発表では、セカンドライン治療薬としてピオグリタゾン(商品名Actos)が、チアゾリジン誘導体としては最適と推奨されている。

 さらに、両学会が推奨する治療アルゴリズムには、現在は一部の患者に対する別のセカンドライン治療法として使用されているグルカゴン様ペプチド-1GLP-1)を標的とした薬剤(GLP-1アナログ)が加わった。

 ADAおよびEASDはマサチューセッツ総合病院のDavid M. Nathan氏を議長としたコンセンサスパネルを召集、2006年には同パネルから最初の推奨治療アルゴリズムが発表されている。それは、HbA1cが7%以上の場合、生活習慣の改善とファーストライン治療としてのメトホルミン投与を推奨するものであった。

 そして、HbA1cが7%以下に低下しない患者には、基礎インスリン投与、スルホニル尿素薬(SU薬)投与、さらに低血糖症のない例ではチアゾリジン誘導体の追加投与を行うものとされていた。今回の推奨では、閾値と一般的なアプローチは同じであったが、ピオグリタゾン、SU薬、基礎インスリンとともにGLP-1アナログが追加された。

 コンセンサスパネルは、ピオグリタゾンは低血糖症、骨量減少、浮腫またはうっ血性心不全の徴候のない患者に使用することとし、GLP-1アナログは、体重減少、悪心・嘔吐、低血糖症のある患者では避けるべきとした。また、セカンドライン治療としての基礎インスリンおよびSU薬は、チアゾリジン誘導体やGLP-1アナログよりも強力なエビデンスがある点も強調した。

 加えて、今回サードライン治療における推奨療法も改訂された。2006年の段階では、強化インスリン、メトホルミン、およびチアゾリジン誘導体が一部の患者に勧められていたが、今回チアゾリジン誘導体は削除されており、強化インスリンとメトホルミン、ならびに生活習慣の改善のみが推奨されている。

 今回発表された治療アルゴリズムにおける推奨薬リストにはアミリンアゴニスト、αグルコシダーゼ阻害薬、グリニド系薬、およびジペプチジルペプチダーゼ阻害薬は含まれていない。Nathan氏らによると、これらの薬は推奨薬と比較して血糖降下作用が同等あるいは低いとされており、その使用を支持する臨床データが少なく、さらに非常に高価であるという。しかし、一部の患者では適切な場合もあり得ると、パネリストらは述べている。

 Nathan氏らは、この新しいクラスの薬剤に関して、今年のはじめに報告されたACCORD試験、ADVANCE試験およびVA Diabetes Trialなどにより臨床データが急速に蓄積したため、推奨の更新が必要になったと語った。

 しかし、パネリストらは、十分な治療を受けていない患者がいまだに多すぎるとも述べている。「新たなクラスの薬剤や多数の薬剤の組み合わせで、血糖値を低下させることは可能と示されてはいるものの、現在の糖尿病マネジメントでは、良好な健康状態が維持できるといわれる値に患者の血糖値を下げることも、それを維持することもできていない」と指摘した。

この記事を読んでいる人におすすめ