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EPO製剤用いた脳卒中の臨床試験で死亡増とFDA
FDA Says Excess Mortality Reported in Stroke Study of Anemia Drug

2008/10/07

 米食品医薬品局FDA)は9月26日、独で行われていた虚血性脳卒中を対象にしたエリスロポエチンに関する臨床試験の初期データから、90日間死亡率が同薬投与群で高いことが判明したと発表した(FDAの文書はこちら)。この薬剤(エポエチンアルファ、商品名Eprex)はまだ米国では発売されていないが、現在FDAが安全性解析を実施している薬剤クラスの1つという。

 522例を対象とした同試験のプレリミナリーな安全性所見から、エポエチンアルファを投与した患者の16%が投与開始後90日以内に死亡していたのに対し、プラセボ群では9%だったことが明らかになった。両群の死亡の約半数が、投与開始から7日以内に発生していた。頭蓋内出血は実薬群の死因の4%だったが、プラセボ群では1%だった。

 この試験は二重盲検プラセボ対照試験で、MRIで中大脳動脈領域に虚血性脳卒中が確認された患者を登録、エポエチンアルファ投与群(4万単位/日を3日間静注)またはプラセボ群に無作為割り付けた。

 血栓溶解薬の適応があった患者には、tPAも投与された。エンドポイントは機能転帰の改善だった。本試験でエリスロポエチンを投与したのは貧血治療が目的ではなく、実際にほとんどの患者は貧血ではなかった。さらにこの試験で用いた用量は、FDAが貧血治療として認可している投与量よりもかなり多かった。

 FDAは、神経保護作用を目的としてエポエチンアルファを投与する臨床試験を承知している。「独でのこの結果を踏まえ、現在進行中のこの種の臨床試験に参加している患者の有害事象を慎重にモニタリングし、期待される有益性がリスクを上回るかどうか検討する必要がある」とFDAは語った。

 臨床試験のデータベースである「ClinicalTrials.gov」(こちら)には、虚血性脳卒中を対象としたエポエチンアルファの臨床試験として、現在患者の募集はしていないが進行中のものが2つ、まだ参加患者の募集を開始していないものが1つ、既に終了したものが2つ、くも膜下出血を対象とした既に終了した試験が1つ掲載されている。FDAは、「(独の臨床試験から得られた情報が)規制措置を必要とするかどうかについて検討中だが、まだ結論に達していない」と語った。

 FDAは18カ月以上にわたり貧血治療薬の安全性について調査を行っているが、この調査の焦点は化学療法および透析患者における同薬剤の使用についてである。

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