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透析患者の心房細動に伴う脳卒中どう予防?
第47回

2014/05/08

 「心房細動に伴う脳卒中予防」=「抗凝固療法」。この図式は10年前と比較にならないほどよく知れ渡りました。続々と発売される新規抗凝固薬もこれを後押ししているようです。しかし、この図式が単純に当てはまらない病態もあります。その1つが透析患者の心房細動です。読者の先生からの要望もあり、今回はこのテーマに焦点を当ててみます。

 今年のCirculation誌に、カナダからこの課題に対する観察研究の結果が報告されました(Circulation 2014;129:1196-203.)。最新の研究結果といえるこの報告の内容をまずまとめておきましょう。

 1998年~2007年にカナダのオンタリオ・ケベック州に入院した心房細動患者を対象に、透析の有無、ワルファリン投与の有無別に、脳卒中、大出血の頻度が検討されました。透析並びに心房細動を合併した例は1626例(平均年齢75歳)で、このうち46%がワルファリン投与を受けていました。

 ワルファリン投与群は心不全、糖尿病の合併が多い一方、過去に出血の既往がある例が少なかったということです。このような例を用いて、ワルファリン投与が、脳卒中(出血性脳卒中を除く)、入院を要する出血に与える影響を調整後ハザード比で表しています。

著者プロフィール

山下武志(心臓血管研究所所長・付属病院院長)やました たけし氏。1986年東大卒。同大第二内科に入局。阪大第二薬理学、東大循環器内科助手などを経て、2000年から心臓血管研究所第三研究部長、2011年から現職。不整脈診療の第一人者であるとともに、分かりやすい著書や講演でも名をはせる。

連載の紹介

山下武志の心房細動塾
不整脈の診療に造詣の深い山下武志氏が、自身の経験と最近充実してきたエビデンスを踏まえ、心房細動診療の最新の考え方と実践例を紹介する。同氏が提唱する「3ステップ」や「洞調律への復帰をあせるべからず」「患者満足度の重視」という視点は、心房細動を診るすべての臨床医が傾聴すべき真実を含んでいる。

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