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第42回
抗凝固薬、大出血と腎機能障害の深遠なる関係

2012/04/05

 ダビガトランが発売され、禁忌を含む腎機能障害例での大出血が注目を浴びました。先月、福岡で開催された第76回日本循環器学会学術集会(JCS2012)LBCTセッションでは、リバーロキサバンを用いたJ-ROCKET試験の腎機能別サブグループ解析の発表がなされました。

 そのコメンテーターとして論じる機会が与えられ、もう一度勉強し直した結果をお示ししようと思います。「ダビガトランは腎排泄型薬剤なので・・・」という単純な理解だけではどうも説明が難しくなってきているようです。
 
 まず、ダビガトラン、リバーロキサバン、ワルファリンの未変化体排泄における腎臓の関与を示しておきます。

 ダビガトラン:80%
 リバーロキサバン:33%
 ワルファリン:2~3%

 これを見ると、腎機能低下に応じて薬物の血液濃度が増加し、同時にそれが大出血の増加として発現するのだろうと考えるのが普通です(私もただそう思っていました)。このように考えると、腎排泄の割合が高い薬物ほど腎機能低下による薬物血中濃度増加が著しく、大出血頻度の腎機能への依存度が高まるはずです。

 そう思いながら、あらためてRE-LY試験のサブグループ解析を見てみました。

著者プロフィール

山下武志(心臓血管研究所所長・付属病院院長)やました たけし氏。1986年東大卒。同大第二内科に入局。阪大第二薬理学、東大循環器内科助手などを経て、2000年から心臓血管研究所第三研究部長、2011年から現職。不整脈診療の第一人者であるとともに、分かりやすい著書や講演でも名をはせる。

連載の紹介

山下武志の心房細動塾
不整脈の診療に造詣の深い山下武志氏が、自身の経験と最近充実してきたエビデンスを踏まえ、心房細動診療の最新の考え方と実践例を紹介する。同氏が提唱する「3ステップ」や「洞調律への復帰をあせるべからず」「患者満足度の重視」という視点は、心房細動を診るすべての臨床医が傾聴すべき真実を含んでいる。

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