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第34回
カテーテルアブレーションは根治療法か?

2011/02/21

 心房細動に対するカテーテルアブレーションは近年著しく発展し、いまや確立した治療法の1つとなりました。読者の方々の関心も今では、新しい抗血栓療法とカテーテルアブレーションという2つのトピックに集約されているかもしれません。

 現在、カテーテルアブレーションにおいて残された大きな課題は、患者の長期予後です。予後に関する十分な情報がない中で最近、アブレーション後の患者を長期観察して心電図指標がどうなったのかについて、Circulation誌、J Am Coll Cardiol誌にそれぞれ異なるグループからほぼ同時期に共通の結果が報告されました。

 これらの報告を読んで結果のフェアさを感じると同時に、アブレーションに関する次の2つの疑問に一定の回答が得られたと思います。

疑問1:1回のアブレーションだけで再発を防げるのか?

 アブレーションを患者に勧めるとき、困ることがあります。それはアブレーションの短期的な成功率です。どの程度に説明することがフェアなのでしょう? これまで国内からも様々な数字が報告されているのですが・・・。

 患者サイドから見ると、そもそもアブレーションを複数回施行するということをなかなか理解できないようです。一方で、多くの国内報告は複数回施行による高い成功率を強調しています。

 そこに1つのギャップがあると思うのです。まだアブレーションを経験していない患者に対して、「1回~複数回施行すると成功率は・・・」という説明は患者の視点と若干ずれているのではないかと危惧していました。そして、今回の2つの報告は、いずれも初回アブレーション後の成功率をフェアに示しています。

著者プロフィール

山下武志(心臓血管研究所所長・付属病院院長)やました たけし氏。1986年東大卒。同大第二内科に入局。阪大第二薬理学、東大循環器内科助手などを経て、2000年から心臓血管研究所第三研究部長、2011年から現職。不整脈診療の第一人者であるとともに、分かりやすい著書や講演でも名をはせる。

連載の紹介

山下武志の心房細動塾
不整脈の診療に造詣の深い山下武志氏が、自身の経験と最近充実してきたエビデンスを踏まえ、心房細動診療の最新の考え方と実践例を紹介する。同氏が提唱する「3ステップ」や「洞調律への復帰をあせるべからず」「患者満足度の重視」という視点は、心房細動を診るすべての臨床医が傾聴すべき真実を含んでいる。

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