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第17回
カテーテルアブレーションの良い適応とは?

2009/02/06

 抗不整脈薬の投与により洞調律が維持されたとしても、やがて薬が効かなくなる例が多いことは前に述べました。以前は、それでもいろいろな薬に替えて何とか頑張ってコントロールをしていたのですが、どうもそういう時代ではなくなってきたようです。近年、非薬物療法、すなわちカテーテルアブレーションが劇的に進歩してきたからです。

 心房細動のトリガーの多くが肺静脈起源の心房性期外収縮であり、肺静脈を左房から電気的に隔離することにより治療可能であるとしたHaissaguerreらの報告1)が端緒となり、カテーテルアブレーションはこれまで種々の概念を変革し、同時に手法に関する変遷を経て発展してきました。

 現在では、可能な限り多くの肺静脈をアブレーションにより左房と離断する術式が一般的ですが、この手技も発展途上のものと考えられており、最近では左房に対するアブレーションも追加されることがあります。その適応に関しても、当初は主に若年者で薬剤抵抗性の発作性心房細動例に対して行われていましたが、近年では持続性あるいは慢性の心房細動例にまで拡大する動きも一部に見られます。

 カテーテルアブレーションに関する主な臨床試験の結果を紹介しますと、発作性心房細動に関しては、そのファーストラインの治療としてカテーテルアブレーションと抗不整脈薬のいずれが有効かどうかを検討したランダム化比較試験が報告されています2)。症状のある70症例(18~75歳)をアブレーション群と抗不整脈薬群に振り分け、治療後1年間経過を観察しました。

著者プロフィール

山下武志(心臓血管研究所所長・付属病院院長)やました たけし氏。1986年東大卒。同大第二内科に入局。阪大第二薬理学、東大循環器内科助手などを経て、2000年から心臓血管研究所第三研究部長、2011年から現職。不整脈診療の第一人者であるとともに、分かりやすい著書や講演でも名をはせる。

連載の紹介

山下武志の心房細動塾
不整脈の診療に造詣の深い山下武志氏が、自身の経験と最近充実してきたエビデンスを踏まえ、心房細動診療の最新の考え方と実践例を紹介する。同氏が提唱する「3ステップ」や「洞調律への復帰をあせるべからず」「患者満足度の重視」という視点は、心房細動を診るすべての臨床医が傾聴すべき真実を含んでいる。

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